「九州リポート福岡発!」は、全九州釣ライター協会の会長・小野山康彦氏の連載です。公益財団法人日本釣振興会九州地区支部の活動ほか、九州の様々な情報を紹介します。
第16回の今回は、当協会の常任幹事・橋本敏昭会員(宮崎県延岡市)が事務局長を務める釣りクラブ「延岡磯研」が、長年にわたって実施している「延岡磯研チャリティー釣り大会」(全九州釣ライター協会後援)の第32回大会についてお伝えします。
橋本さんは、メーカーの垣根を越えて著名な釣り人たちが腕を競った大会「オールジャパン・グレ磯ロイヤルカップ」において4度の優勝、「WFG(ワールドフィッシングガイアオブグレ)」の2連覇、「東レスーパースターカップ」の優勝など、数多くのメジャー大会で輝かしい戦績を残しているグレ釣りの名手です。巷では「橋本名人」と呼ばれています。
初代会長として1988年1月1日に発足した「延岡磯研」の規約には、釣り人のマナー向上や釣り場の環境保全、自然保護などと共に「チャリティー釣り大会」を年に1回開催し、釣りを通じて地域社会に小さな貢献を行うことを掲げています。
1988年5月8日、宮崎県門川町の沖磯で「第1回チャリティー釣り大会」を開催して以来、コロナ禍や荒天等での中止はありましたが、今年までずっと継続しています。
大会規定は30㎝以上の食べられる魚(ウツボなどの長物の他、フグ、バリ、アオブダイ、ボラ、サンノジ、テングハギなどは対象外)の総重量。
当初は、参加者たちが釣った魚を社会福祉施設に寄付することを目的としていました。
しかし、① 施設には魚を捌ける担当者がいない、② 調理したとしてもお年寄りの喉に骨が刺さる等の事故が心配、③ 施設は既に1週間の献立が決まっているために使えない等の問題が発生。思案の結果、釣った魚を延岡魚市場でセリにかけ、その益金を延岡市社会福祉協議会へ寄付することにしました。
やがて、「チャリティー釣り大会は、釣技を競うだけでなく社会貢献もできる」と釣り人たちの間で話題となり、趣旨に賛同して県内外からの参加も増えました。
今年も32回目となるチャリティー大会を開催。寄附金の累計は145万円以上に
そんな中、今年の第32回大会は天候不良で2度の延期を余儀なくされ、ようやく6月18日に開催されました。
延期によって参加は26名と例年よりかなり少なかったものの、同市の渡船・第八大黒丸で島野浦一帯に展開。大漁を目指しました。
ところが、今年は九州西岸の長崎県エリアの好釣果をよそに、東岸の大分県南から宮崎県北部は厳しい状況が続いています。生憎、この日も絶不調。特にチヌ、イサキ、グレの釣果が最悪でした。
そんな状況下で、優勝は馬込功さん(延岡市)の3348g、準優勝は橋本さんの3043g、3位は六川和宏さん(延岡市)で2753gでした。
橋本さんは、「釣果が厳しい中、今年も何とか益金の1万4201円を捻出することができました。第1回大会から今回までの参加人数は延べ1473名。今年の益金を加えた寄附金の合計は145万9136円です。
参加の皆様、協賛いただいているがまかつ、マルキユー、釣研、東レ・モノフィラメント、キザクラ、ボナンザの各社(順不同・敬称略)に心より感謝申し上げます。今後もより多くの皆様からのご賛同をいただければ幸いです」と述べました。
このチャリティー釣り大会のように、釣りクラブならではの方法で社会貢献に取り組む活動は、釣り文化のさらなる発展に繋がるものとして各方面から注目を集めています。
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