タコ釣りのメッカである兵庫県明石市沿岸では、「タコ釣りルール」が設けられている。
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このルールは、明石市の重要資源であるタコの漁獲量の減少を背景に、明石市にある5つの漁業協同組合で構成される明石市漁業組合連合会(以下、明石市漁連)と行政により作成された。
この「タコ釣りルール」は2016年から施行されており、釣り人側(日本釣振興会、全日本釣り団体協議会、大阪釣具協同組合など)も当初からこのルールに賛同し、協力している。
このルールは年により若干の修正が加えられながら、現在に至る。今シーズン(2023年)に関しては追加項目等はあるが大幅な変更はない。
「それ、密漁です」。釣り人は共同漁業区域内でタコ釣りは出来ません
そもそも、釣り人(遊漁者)は共同漁業区域内でタコ釣りをする事は禁止されている。漁業権の侵害で「密漁」となり、罰せられる事がある。
しかし、明石市漁連が取り組むタコを守り、育てる活動に賛同し、ルールを守る人に限ってタコ釣りをする事が出来るとされている。
船舶を使用したタコ釣りを行うためのルールは下記の通りとなっている。
マダコを採捕出来る期間
マダコを採捕出来る期間は海の日(2023年は7月17日)と、12月1日から5月31日まで。
※令和6年(2024年)からは12月1日から4月30日までと変更される。タコの資源回復の早期実現のため、海の日も不可、期間も1カ月短縮される事が予告されている
マダコのサイズ制限
マダコのサイズ制限としては、100g以下は採捕禁止。
マダコ釣りの制限
マダコ釣りの制限としては、1人あたり10パイまで。そして変更点として、使用するタコエギは2個までとなっている。
また、明石市沿岸のタコ釣りルールとは別に、明石市漁連の遊漁船部会が定めた自主ルールとして、タコエギやタコスッテも含めて、全周(傘型)に針が付いている仕掛けは禁止とする。針は周囲180度を超えてつけてはならない。
このルールは、海底で根掛かり自体を減らすため、また漁網等に根掛かりして漁網を回収した場合にエギを外しやすくするためだ。明石市漁連遊漁船部会が定めている自主ルールだが、資源保護のため明石でタコ釣りをする人はぜひ守って欲しい。(※2023年5月19日、赤字の部分等で一部修正しました)
ほか、釣りを楽しむ共通ルールとして5つのルールが設けられている
1・養殖施設や定置網漁具にロープ等で船舶を係留しない。近づかない
2・漁業の操業を妨げる行為はしない
3・採捕したものを販売しない
4・ゴミや釣り針等は海に捨てない
5・小さいサイズは持ち帰らない
明石市漁連では、タコ資源を守るために様々な活動を行っている。釣り人側も、しっかりとルールを守りながら、タコ釣りを楽しんで欲しい。
※このルールは明石市沿岸、最初のポスターの地図上で青色の範囲内に適用。また明石市漁連の会員漁協、播磨町、東播磨、高砂漁協の組合員は除く
タコマイレージも一部変更。ステッカーも刷新!
また、明石市漁連遊漁船業部会が主体となり、2022年5月よりタコの資源を保護するための取り組みの一環として「タコマイレージ」も始まっている。
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タコマイレージとは、この制度に参加している遊漁船の利用者が釣ったマダコ(100g超)を放流用に提供すると、その数に応じてポイントが付与される。
昨年はタコの数によってポイントが付与されたが、今年は重量も関係してくる。
・100g超のマダコを提供 → 1パイにつき1ポイント
・500g以上のマダコを提供 → 1パイにつき5ポイント
・1㎏以上のマダコを提供 → 1パイにつき10ポイント
ポイントを貯めると、明石市漁連遊漁船部会のオリジナルステッカーが進呈される。デザインも一新されている。
また、ポイントに応じたサービス特典は順次拡大されている。地元の飲食業等と協力した取り組みも検討されている。
ちなみに、昨年度のタコマイレージの協力者はのべ2655名、放流用に集まったタコは7513ハイとなった。
明石市漁連遊漁船部会では「これからもタコ釣りがずっと楽しめるよう、皆さんの参加をお待ちしています」としている。
釣り人側も、資源保護に協力しながらタコ釣りを楽しんでいきたい。