釣り大会の変遷と地域。釣りが地域にもたらす効果は?
釣り大会と一言で言っても、様々なものがある。特に「釣りもの」が多い串本の様な場所ではなおさらである。グレなどを釣る磯釣り大会、アオリイカを餌木で釣るエギング大会、船を使った大会、アユ釣りの大会等。対象もプロが沢山出場するものから、女性や子供が楽しめるファミリー大会の様なものもある。
こうした釣り大会を時代に沿って色々と見ていると、釣りという世界を取り巻く世の中の変遷が実によく読み取れる。
当観光協会の釣り大会も、10年程前に磯釣り大会からエギング大会に衣替えした。磯釣りは今でも串本の主たる釣りであり、多くの釣り人が訪れるが、磯釣りに関しては多くのメーカー主催の大会も開かれている事から、当時増えつつあったエギングをメインに大会を主催したわけである。
全盛を極めたバスの大会が減り、ソルトの大会が多く開かれている現状もその1つだろう。
釣り大会に対する地域の受け止め方だが、これは地域差もあるのだろうが、私の住む串本ではおおむね好意的である。
釣りという遊びが町民にとって当たり前の地域性もあり、また飲食店などではお客様の中で釣り人が占める割合は大きい。飲食店以外でも、コンビニ、釣具店、ガソリンスタンド、宿泊施設、乗船料、様々な形で消費が行われる。大きな大会になれば、その金額も相応に大きなものになるだろう。
ただ残念なことに、そうした消費活動については確たる金額が出ている訳ではない。
これは釣り大会に限らず、一般の釣り人による消費活動も同様で、きちんとした消費活動が把握されていないので、「釣り人はゴミばかり出して困ったもんだ」という画一的な評価しかもらえない。
この点は私たち主催者も、もっときちんと数字に出してアピールする必要があると感じる。
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