「作ったワームで釣りをしたい!」講義後は大好評のワーム製作実習
時間はあっという間に経過し、いよいよ実習の時間となったが、生徒たちは休み時間も席を離れることなくプレゼン資料に見入っていた。
後半はワーム製作の実習で、これも毎回の通り実際の金型と樹脂原料を持ち込み、樹脂原料を電子レンジで溶解させ、あらかじめ溶解した樹脂が固まらない温度に加熱したプランジャー(ステンレス製の注射器)を用いて、金型に注入するというもの。
「今年の生徒たちは特に釣り好きが多いですよ」と前日の晩に上野先生よりお伺いしていた通り、実習が始まると大変な盛り上がりとなり、好みのカラーのワームを作ろうと一生懸命に取り組んでいた。
この実習は毎回生徒や参加者に大変人気のある内容だが、熱した樹脂とプランジャーを使用するため火傷をさせないことが最重要だ。しかしながら、一方ではこのようなある程度の危険が伴う作業が、普段体験できないこととあって一層の興味を抱いてくれる理由となっていると感じている。
もちろん、生徒たちに火傷をさせない準備は万全に整え望んでいる。具体的には、手や指を保護するための軍手を二重に装着してもらうこと、熱した樹脂は最低限の量だけ使用するようビーカーは小型のものを使用する。そしてもう1つ、万一火傷をした場合にすぐに冷却出来るよう、ボウルに水を貯めておくという3項目を実施している。
生徒の中には、「実習で作ったワームを持って早く釣りに行きたい」という生徒が複数いて、「どこに釣りに行こうか」といった会話も飛び交っており、こちらの達成感もより高まった。
学校教育との連携は、釣り人拡大に有効
余談だが、毎年行っている文化祭においても、このような実習が出来たら良いのではないかという会話が前日の打ち合わせの際に出てきた。
そこで、先日若洲海浜公園で行われたイベント「キャステングにトライ!」では、オモリと魚を模したボードを使ったキャステング教室を実施し、参加者が喜んでいたということをお伝えしたところ、上野先生がとても高い興味を示してくれた。
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実現できるかは分からないが、普段、公益財団法人日本釣振興会が取り組んでいる釣り人拡大のための色々なアイデアは、学校関係者に喜んでもらえる可能性が高いと感じた。
魚や自然科学に興味を持ってもらうことは、生物学や化学への関心を高めることに繋がるということを意識して、奥が深く難解なことをなるべく分かりやすく講義できるよう心掛けているが、受講する生徒たちはそれ以上にこの企画を楽しみにしてくれたことがとても印象的だった。
そしてもう1つ、釣り人のマナー向上という業界の大きな課題に際して、学校教育関係者の方々にも理解と協力の輪を広げていくことがとても重要と感じている。
実習後には、今回の講義と実習について、生徒たちにアンケートに答えてもらった(別枠に記載)。
実施のずいぶん前から色々な段取りをしてくれた上野先生。また、佐々木校長先生にこの場を借りて感謝を申し上げる次第だ。
【講義・実習参加者のアンケート結果】
【提供:長岡寛・編集:釣具新聞】
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