岩手県の高校でワーム製作実習。「釣りと魚の科学」講義も実施、魚が餌を食べるメカニズム等を解説

スペシャル ニュース
「釣りと魚の科学」講義とワーム製作実習の様子

11月15日、昨年に引き続き、岩手県立久慈東高校・海洋科学系列学科において「釣りと魚の科学」講義とワーム製作実習を行った。

今回の講義と実習は、担当の上野明先生のご尽力により実施させて頂くことになった。

久慈東高校は人文科学、自然科学、情報ビジネス、食物、介護福祉、環境緑化、そして今回講義と実習を行った海洋科学という7つの学科があり、久慈の市街地を一望できる南向きのなだらかな斜面に大きな校舎が聳え立っている。

日当たりが良く広大なキャンパスでは、硬式野球部や陸上部などの運動部員がのびのびと活動を行っているほか、吹奏楽部などの文化部も活気に溢れている。

「魚や自然科学の興味の幅を広げてほしい」。釣りや釣りマナーについて講義と実習を実施

当日、朝8時半に校長室を訪問すると校長の佐々木寛先生と上野先生が迎えくれて、ご挨拶を兼ねて懇談を行った。

佐々木校長は今年の4月より赴任されていて、とても温厚で穏やかなお人柄というのが第一印象。

今回の講義と実習を通してぜひとも生徒たちが魚や自然科学、そして関連する仕事に対して興味をの幅を広げてもらうキッカケになってくれることを望まれていた。

佐々木校長、上野先生、長岡寛氏
(中央)佐々木校長、(右)上野先生、(左)講義と実習を担当した長岡寛氏

私の方からは、岩手県沿岸は釣りにとって大変恵まれたフィールドなので、釣りに対する興味を深めてもらいたいということと共に、昨今釣り人のマナー問題が大きく取り沙汰されるようになっているため、釣りの知識だけでなくマナーについても啓蒙させて頂く機会にしたいということをお伝えした。

今回参加の生徒は25名の予定だったが、コロナの濃厚接触者などの理由により欠席が2名、そのため全員で23名の参加となった。

魚が餌を食べるメカニズムは?高校生へ向けて分かりやすく解説

午前9時より講義を開始。内容は、本紙に連載中の「お魚さんッ私のエサに食いついて!」の内容に沿ったもので、時間内に説明出来るよう要約して講義を行った。

本題に入る前に、釣り人のマナー啓蒙という観点から、公益財団法人日本釣振興会より配布されている「釣り人宣言」と小冊子「すきすきフィッシング」、そして釣り場のゴミ持ち帰りのステッカーを配布し、簡単な説明を行ってから本題に移った。

魚が餌を食べるメカニズムの中で特に重要な要素は視覚と嗅覚であるが、今回の生徒たちは上野先生から教えられていることをよく理解されている様子で、アミノ酸とたんぱく質の関係については「遊離アミノ酸」というフレーズが出てきて、これらについての理解が深いことが伺えた。

「釣りと魚の科学」講義とワーム製作実習の様子
長岡寛氏の講義に聞き入る生徒達。魚の生態についての解説のほか、釣りマナーに関する啓蒙も行われた

一方、聴覚を担う感覚器官の位置や嗅覚と味覚の違いについては、新鮮な感覚を持ってくれたと感じた。

今回の講義で新たに追加させていただいた内容として、環境にやさしく根魚に効果の高い冷凍の食わせ餌(KTK)の解説を行った。

また、2022年8月にPAT出願を行いわずか3週間で登録査定となった、オキアミ専用着色液「オキアミブラック」についての説明も行った。

「釣りと魚の科学」講義とワーム製作実習の様子
魚の習性を利用し開発されたアイテムについても解説された

これは、魚の視覚特性を利用した究極の餌取り対策で、魚類は物体の色彩の違いよりも明暗の違いの方が、人よりも遥かに鋭敏に感知することを応用し、新しい発想に基づいて開発された。

講義では、オキアミの色彩を暗くすることにより、視覚に頼って餌を食べにくる表層の餌取りに発見されにくくなるという事を説明した。

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