安全に釣りを楽しむために。必要な対策、出来てますか?【九州リポート福岡発!】

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全九州釣ライター協会の会長・小野山康彦氏の連載です。公益財団法人日本釣振興会九州地区支部の活動ほか、九州の様々な情報を紹介します。

全九州釣ライター協会は、新たな釣り人を増やすための健全な釣りの普及活動とマナー啓発活動等に加えて、海上保安本部と連携して釣りの安全対策の広報活動も行っています。

第5回の今回は、当協会が情報を提供頂いている第七管区海上保安本部交通部安全対策課の「マリンレジャーを安全に楽しむための安全推進活動」についてご案内します。

「海のもしもは118番」で知られる海上保安庁は、1948年(昭和23年)5月に発足。国民が安心して海を利用し、様々な恩恵を享受できるよう関係国との連携・協力関係の強化を図りつつ、海上における犯罪の取締り、領海警備、海難救助、環境保全、災害対応、海洋調査、船舶の航行安全等の活動に日夜従事しています(海上保安庁公式ホームページより)。

海上保安庁が発行しているポスター
海上保安庁が発行しているポスター

同庁は日本全域を11の管区に区分けし、第七管区海上保安本部(以下、「七管」と記載)は九州地方の福岡県、佐賀県、長崎県、大分県、山口県西方を管轄しています。

七管は、公益財団法人日本釣振興会九州地区支部および各支部が主催する親子釣り教室や、釣り団体主催の大会などで海難防止の安全対策講習を実施するほか、西日本釣り博の会場で来場者に安全に釣りを楽しむための啓発活動などを行っています。また、ホームページ上で毎月、「海の安全レポート」を発行しています。

釣り中の事故は「海中転落」が9割。見つけたらすぐ118番を!

2020年1月からのコロナ感染拡大を受けて、釣りなどの密にならないアウトドアスポーツに注目が集まり釣り人口が増加しました。また、ミニボートやカヌー、SUP(スタンドアップパドルボード)は小型船舶操縦免許が不要なため気軽に入手でき、釣りを兼ねて楽しむ人も増えています。

釣り中の事故は「海中転落」が9割を占めています。安全対策としてライフジャケットの着用滑り止め効果の高い靴の着用、防水ケース入り携帯電話等の必要な装備を整えることを基本として、以下の4点についても周知しています。

①無理をしない(気象情報を適宜把握し悪天候時の早期中止の判断をする)
②単独行動をしない
③釣行計画を第三者に伝えておく
④立ち入り禁止区域に入らない

釣りに行く時に必要な安全対策
釣りに行く時に必要な安全対策。海上保安庁の海の安全情報サイト「ウォーターセーフティガイド」の釣り編に記載されている

また、海に落ちた人を見つけたらすぐに118番へ連絡し、救助のために水に入ることは避けて周囲の人に助けを求め、ロープ付き水くみバケツや空のクーラーボックス等の浮力のあるものを落水者の近くに投げ入れることを推奨しています。

ミニボートでの事故が増加中。認識旗の掲揚や明るい服で対策を

七管において2018年から2021年までの4年間での釣り中の陸地からの人身海難は144人、ミニボートは63隻、カヌーは10隻、SUPは8人の海難が発生しています。

先日、当協会に七管交通部安全対策課・古場芳樹課長が来所され、ミニボートの海難事故は2020年に13隻だったものが2021年には23隻にまで急増していることから、「船体が低くプレジャーボートや漁船からは見えにくいため、自船の存在を示すための認識旗の掲揚や明るい色の着衣を心がけていただくよう、安全対策の注意喚起をお願いします」と、広報依頼がありました。

釣りは健全な環境で安全に楽しむことが基本です。事故が起きればご自身だけでなく家族や友人などにも心配や迷惑をかける事になり、行政は事故防止のために釣り場への立ち入り禁止を検討する可能性もあります。

そのようなことが起こらないためにも、釣り人の安全対策が最重要課題となっています。

海上保安庁のホームページでは、ウォーターセーフティガイドを提供しています。初心者のみならずベテランの方もぜひ確認していただき、釣り団体や釣りクラブ、グループなど組織での安全対策の徹底の輪を広げていってほしいと思います。

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七管への問い合わせは、(☎0‌9‌3・3‌2‌1・2931)(代)=安全対策課。

(了)

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