8月5日、6日、岐阜県下呂市の馬瀬川上流域で「第53回報知アユ釣り選手権・オーナーカップ」の決勝大会が行われた。
第53回報知アユ釣り選手権・オーナーカップは有田川、仁淀川、狩野川、付知川、上桂川、小国川、那珂川の全国7河川で予選が行われた。
決勝大会にはそれぞれの決勝進出者に加え、シード選手、歴代名人、歴代優勝者、競技委員会の推薦者等総勢94名で競われた。
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初日にベスト8決定。2日目は準々決勝より開始
5日(初日)は雨のち晴れ。川は平水。大会前は全国的に不安定な天候が続き、今回の大会も開催出来るのか懸念されたが、馬瀬川は豪雨の影響もなく、無事に大会を開催する事が出来た。
初日、熱戦が繰り広げられ、翌日に行われる準々決勝に進出するベスト8が決定された。
6日、天候は雨のち晴れ。大会本部である清流ふれあい会館前に参加者は集合し、優勝を目指す8名の選手が紹介され、簡単なミーティングが行われた後、準々決勝がスタートした。
準々決勝に勝ち残った選手は下記の通り(敬称略)。谷口輝生、高木優也、多禰守隆、小沢聡、辻行雄、川﨑智仁、廣岡昭典、島田雅司。
当日の馬瀬川の状況を地元の人に伺うと「昨夜の大雨の影響で、昨日より15㎝ほど水位が上昇しています。水温は普通16度前後ですが、恐らく今は少し低くなっていて、日が照ってきたら上がると思います。掛かり出すと上手い選手が多いので、一気に数も伸びてハイスコアも出ると思いますが、朝のうちはタフな状況だと思います」と話していた。
準々決勝では、時折本降りとなり、アユの追いも悪く厳しい状況だった。
そのような状況で谷口(やぐち)選手が18尾、廣岡選手が17尾で準決勝進出を決めた。1ケタ台の選手も多く少ないチャンスを確実にものにした選手が準決勝に駒を進めていた。
準決勝も注目のカード揃い、ベテラン勢に挑む
そして準決勝。この頃には天候も回復して日が照り出した。鮎の追いも活発になってきた。
準決勝で驚きの釣果を出したのが谷口選手で、33尾という数字をたたき出し、ベテランの小沢聡選手との勝負を制した。
また、辻行雄選手と廣岡昭典選手は一進一退の大接戦となったが、22尾対20尾で辻選手が決勝に進んだ。
これにより決勝戦は谷口選手と辻選手の戦いとなった。
決勝は谷口選手と辻選手の一騎打ち
昼食をはさみ、多くのギャラリーが見守る中、決勝がスタート。
決勝も接戦となったが、独自の泳がせ釣りを駆使して前半からリードした谷口選手が逃げ切る形となり、19尾対16尾の3尾差で大会を制した。
「来年に向け技を磨き、アユ釣りを楽しんで」
表彰式では主催者の挨拶や、オーナーばりの中道成之社長より下記要旨の挨拶が行われた。
「選手の皆様、ご参加有難うございます。また下呂市、馬瀬川上流漁協様、役員の皆様、良い大会にして頂きありがとうございます。鮎釣りはまだまだ続きます。いろいろな大会に出られて釣技を競って頂いたり、来年に向けて技を磨き、鮎釣りを楽しんで頂きたいと思います」。
優勝した谷口輝生選手はインタビューで次のように語った。
「まだ、優勝したという実感はありません。私の父親がこの大会の準優勝まで進んだ事がありますので、僕がその記録を抜くことが出来て嬉しく思います。今回、下見はせずに大会に臨みましたから、全て探りながら釣りをしました。これが結果的に良かったのだと思います。過去に釣れたといった先入観なく、全てが新鮮なポイントでした。
仕掛けですが、私は普段からナイロンの仕掛けを使っています。水位が高いという事で、準々決勝では高比重の複合ラインを使っていましたが、竿を立ててオトリをフワっと持ち上げた時に掛かりました。これならばナイロンが通用すると思い、仕掛けを変えました。
そこから釣り方が今日の状況に合っており、どんどん掛かりました。そのまま良い流れで、準決勝、決勝を迎える事が出来、初優勝となりました。仕掛けはナイロンの0.15号、鈎は8.5号の4本錨です。竿は9mです」。
準優勝の辻選手は「本当に楽しい大会でした。自分がいつもしている釣りをして楽しもうという感じでしたから、やりきって負けたので悔いはないですね。来年は70歳になりますが…、それでも頑張りますよ。準優勝ですからベテランに希望と勇気を少しは与えられたのではないでしょうか」とコメント。
大会は盛況の内に終了した。
大会の結果や当日の様子は、オーナーばり公式ホームページからも確認出来る。