釣り糸が見えると不利になる?(前編)。クロダイは釣り糸が見えているか実証実験!結果は…。

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釣りエサのスペシャリスト・長岡寛さんの連載「お魚さんッ、私のエサに食いついて!」です。釣りエサに関する事以外にも魚の生態や環境など様々な内容を紹介します。

今回は、魚は釣り糸が見えているのか?について解説して頂きました。

釣糸を細くしたらよく釣れる…?

「思い通りにお魚が釣れない…その理由の1つに、もしかするとお魚さんに仕掛けを見破られているのではないだろうか?」

「そうであるなら釣り糸、特にハリスを細くしたら食ってくれるのではないだろうか?」

そんな考えが浮かぶことが私はよくあります。

身の回りで雑誌や様々なメディアで紹介されている有名釣師の仕掛けを見ると、お魚のサイズに対して(私見としてではありますが)随分細い釣り糸を使用しているように感じることがよくあります。

また実際に私の釣り仲間も釣りの経験の中で、食いの渋いときに糸を細くした途端お魚が食ってきたという経験は幾度となくあります。

クロダイ
魚は水中で釣糸が見えているのか?今回はクロダイを対象にして、水槽と装置を用いて行った実験を紹介

皆さんはいかがでしょうか?

ところでお魚さんから釣り糸は見えているのでしょうか?
細い糸にしたら見えにくいのでしょうか?
また濁った水中や夜間ではどうなのでしょうか?

クロダイに釣糸は見えているか?水槽を使って実験してみた!

こんな実験を行ってみました。

クロダイを飼育している水槽に、釣り糸を結んだ釣り針にオキアミを装着し水槽に投入すると、餌を発見したクロダイはすぐにそのオキアミを食べました。

この時は釣り糸(2号のフロロカーボン・以下釣り糸と表記)を両端から強く引っ張って、巻きグセを取り、ほぼ真っ直ぐに近い状態です。

クロダイのいる水槽に、釣り糸を結んだ釣り針にオキアミを装着し水槽に投入した様子

次に、その釣り糸をスプールの糸グセが付いたまま(らせん状)の状態で、先ほどと同様に先端の釣り針にオキアミを装着して水槽に投入しました。

すると今度はクロダイが怯えてしまった様子で、餌のオキアミに近づこうとはしません。

クロダイのいる水槽に、巻きグセをとっていない釣り糸を結んだ釣り針にオキアミを装着し水槽に投入した様子
釣糸の巻きグセを取らずにオキアミを投入すると、クロダイは怯えて近づかなかった

真っ直ぐの状態でもらせん状であっても、釣り糸の太さは何ら変わりがありません。

であるにもかかわらず、形状が異なるだけでこんなにも大きな反応の違いがあることに驚かされます。

らせん状のハリスは、照明の反射などによりクロダイからの見え方に違いがあるのかもしれませんが、もしかすると真っ直ぐのハリスもクロダイには見えていたのではないかと考えられます。

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