有田川で激闘!「第54回報知アユ釣り選手権・オーナーカップ」。地元・坂本浩規選手が制す

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第54回報知アユ釣り選手権・オーナーカップの様子
泳がせ釣りと掛かりやすいポイントでは引き釣りを使い分けた坂本選手。有田川を知り尽くす、地元選手の強みも発揮した

8月4~5日、和歌山県の有田川で「第54回報知アユ釣り選手権・オーナーカップ」の決勝大会が行われた。

主催は報知新聞社、協賛はオーナーばり、協力は和歌山県有田川町、有田川町観光協会、有田川漁業協同組合。

「報知アユ釣り選手権・オーナーカップ」は歴史のある大会で、アユ釣りのメジャータイトルの1つだ。今年は和歌山県を代表するアユ釣り河川の1つ、有田川の「白石の瀬」に本部を構えて開催された。

決勝大会には全国7河川で行われた予選通過者に加え、前回ベスト8、歴代名人、歴代優勝者、各推薦者等96名が参加して行われた。

初日に1~3回戦が行われ、2日目に準々決勝、準決勝、そして決勝戦の3試合が行われ、今年の優勝者が決定された。

猛暑の中、まさに熱戦。オトリ管理が勝敗の決め手!

猛暑の中行われた初日の熱戦を勝ち抜いたのは以下の8名の選手(以下、敬称略)。

松本一平、古川義澄、鑓水猛、坂本浩規、岡田庸、森岡達也、内山賢真、余吾直樹。

ベスト8に進出した選手達
ベスト8に進出した選手達

2日目も猛暑の中、午前7時頃より組み合わせが決定され、準々決勝がスタートした。

当日の有田川は、濁りはないが減水が続いており朝から水温も高い状態で、日中は表層の水温が30℃を超える事も予想された。

決勝大会を通して高水温が続いたため、オトリの管理も重要な要素となった。競技員も選手に渡すオトリを事前に川に移しておくなど、様々な注意が払われていた。

選手も試合開始後、早い段階で天然のアユが手に入れば良い循環となる可能性も高いが、最初の1尾がなかなか掛からずにいるとオトリが弱るのも早く、苦戦を強いられる可能性が高い。

どの場所でも入れ掛かりになる状況ではないため、ポイントの見極めや、ポイントの中でも細かな変化を的確に攻められるかどうかが、勝敗を分けていたようだ。

有田川は減水と猛暑日が続いていたため水温はかなり上昇傾向にあり、オトリにも厳しい状況だった

ロースコアの戦い。厳しいコンディションでどう戦うか?

準々決勝は4つの場所で試合が開始された。古川選手が14尾の釣果だったが、全体的にはいずれの場所もロースコアの戦いとなった。

特に内山選手と岡田選手の試合では、延長戦でも釣果による結果が付かず、くじ引きで準決勝進出者が決まるという異例の事態となった。

準決勝には松本一平、坂本浩規、古川義澄、内山賢真の4名が進出した。

ベスト4の顔ぶれ

準決勝の状況としては準々決勝と同じく、タフな状況だった。

そんな中、有田川を知り尽くす松本選手と坂本選手の地元和歌山同士の戦いは7尾対8尾で、坂本選手が決勝に進出。古川選手と内山選手の戦いでは、3尾対8尾で内山選手が決勝進出を果たした。

決勝は坂本選手と内山選手の一騎打ち

決勝は白石の瀬の下流で範囲も広くとって行われた。

坂本選手は引き釣りでピンポイントを狙っていた。内山選手も瀬を攻めるなど、流れや深みのあるところを狙っていた。後半ではオモリを打ちながら、次々と瀬を攻めていた。

坂本選手が序盤からオトリを換える事に成功しリードしていく

連日、猛暑の中での試合が続き、両者とも体力的に限界が近かったはずだが、最後まで集中して攻めていた。

結果は坂本選手が8尾、内山選手が2尾となり、坂本選手が今大会を制した。

決勝戦に進出した坂本選手と内山選手
優勝した坂本選手と準優勝の内山選手。お互いに健闘を称え合った

大会の参加で技術向上・モチベーションアップに

午後4時頃より大会本部で閉会式並びに表彰式が行われた。冒頭に主催者を代表して報知新聞社執行役員・大阪本社副代表の尾谷和也氏が下記要旨の挨拶を述べた。

報知新聞社執行役員の尾谷和也氏
報知新聞社執行役員の尾谷和也氏

「選手の皆様お疲れ様でした。そして96選手の頂点に立たれた坂本選手、誠におめでとうございます。地元和歌山の選手の優勝で、大会を見事に盛り上げてくれたと思います。今月末には坂本選手が小澤剛名人に挑む戦いが予定されていますので、健闘を期待しております。

今大会に協賛頂いたオーナーばり様、8年振りの決勝大会開催に協力して頂いた有田川町、有田川町観光協会、有田川漁業協同組合、そして小倉吉弘競技委員長はじめ競技員の皆様に深く感謝いたします。

この大会は今年で54回目を迎えました。この大会に参加し優勝を目指す事が技術向上、モチベーションの向上に繋がるようこれからも大会運営をしていきます。選手の皆様にはより一層技術を磨いて頂き、本大会にご参加下さいますようお願い致します」。

続いてオーナーばりの中道成之社長から挨拶が行われた。

オーナーばりの中道成之社長
オーナーばりの中道成之社長

「まず、今年も各地で災害がありました。お見舞い申し上げます。本日は大会にご参加頂き誠にありがとうございます。関係各位、皆様も暑い中有難うございました。オーナーばりは、鮎釣り製品をはじめ、より良い商品づくりに励んでいきます。今後ともご愛顧をよろしくお願い致します」。

その後、有田川漁業協同組合の滝雅之代表理事組合長、有田川観光協会の植田幸雄会長からも挨拶が行われた。

坂本選手は名人戦へ挑戦。今大会を制した秘訣とは?

第54回報知アユ釣り選手権・オーナーカップの表彰台
大会の表彰台。地元選手の坂本氏が見事優勝に輝いた

続いて表彰式が行われた。まず来年度の決勝大会の参加資格を得たドリーム戦通過者(4名)の表彰が行われた。

続いて本大会のベスト8から優勝者の表彰が行われた。優勝者には表彰状、報知杯、オーナーばり賞、副賞が贈呈された。

表彰式の様子
表彰式の様子。優勝者には表彰状等が贈呈された

坂本選手と対戦する小澤剛名人からも「自分ならどう釣るかと思いながら、多くの方の釣りを見させてもらいました。坂本選手の釣りは引くところは引き、泳がせるとこは泳がせるというメリハリのある釣りをされる方だと感じました。名人戦ではよろしくお願いします」と挨拶があった。

小澤剛名人
名人戦で坂本選手と対戦する小澤剛名人

優勝した坂本浩規氏は、和歌山市在住で有田川と日高川がホームグラウンド。日高川龍神予選を勝ち上がってきた、まさに地元の選手だ。優勝後のインタビューで以下のように答えた。

「最近の有田川は高水温で難しい状況ですが、お盆が過ぎれば釣りやすくなります。私は引く方なのですが、オトリがすぐに弱ってしまうので、最初は泳がせ気味で攻める事が多かったです。今日狙っていたポイントは、準決勝は流れのある岩盤、決勝も岩盤や大きな岩があり、少しでも深さがある場所です。準決勝の松本一平選手との対戦は同じ和歌山の選手ですし、今日一番しんどい試合でした。

決勝戦も、勝因はオトリが良かった事が大きいと思います。よく泳いでくれました。今まで何度も大会に出て、ベスト16までが最高でしたから、今日は嬉しいです」。

使用していた針はオーナーばりの秀尖とキメラの6.5号だった。

最後に小倉吉弘競技委員長が講評を行い、今年の報知アユ釣り選手権・オーナーカップは終了した。来年も熱戦が期待される。

小倉吉弘競技委員長
小倉吉弘競技委員長

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