公益財団法人日本釣振興会では、50年以上にわたり水辺環境の美化保全、魚族資源の保護増殖等を行ってきた。その一部を紹介します。
2006年、河口湖で水中清掃を実施
2000年代後半、バス釣りブームの山梨県河口湖には、年間20万人近い釣り人が訪れていました。
当時湖岸を歩くと水中に落ちているワームが数多く見つかり、漁協内で環境問題を危惧してワームの使用を禁止する意見が出ていました。
このことを受けて、日本釣振興会から「ワームは釣り人が落としたものなので、当会としてワームを回収すべき」という意見が出ました。
2006年11月12日、河口湖の大池公園に釣り関係者200名以上が集まり、陸上の清掃と、プロのダイバーにお願いして、初めての水中清掃を実施し、ワームの回収を行いました。
後に、河口湖におけるワームの使用は禁止されましたが、日本釣振興会による釣り場の水中清掃活動は継続され、2回目からはボランティアダイバーにお願いして、河口湖以外の場所でも水中清掃を行い、実施回数も増えました。
参加者は累計2万人以上!合計200トン以上のゴミを回収
そして、スタートから16年目の2022年11月26日、静岡県熱海港海釣り施設での活動で、累計600回となりました。
16年間にわたる活動には、ボランティアダイバーが1万596名、陸上及び船の手伝いが1万798名、合計2万1394名に参加して頂き、合計200トン以上のゴミを回収しました。
回収された釣具の中で数が多いものはオモリ、コマセカゴ、エギ、ワーム、ルアー等ですが、ビニールバケツ、サオ掛け、椅子なども多く回収されます。
ただ、回収されるゴミは生活ゴミ、不法投棄ゴミなどが圧倒的に多く、重量ベースで釣具は2%以下となっています。
我々は水中に残した釣具のことは忘れてしまいますが、水中に残った釣具は環境に負荷をかけていることを忘れてはいけません。
できるだけ水中に釣具を残さないような釣り方をし、環境への配慮が求められています。
河口湖の清掃は現在も継続しておりますが、未だに1時間の清掃で数百の古いワームが回収されております。
なお、この清掃活動にはつり環境ビジョンコンセプトに基づくLOVE BLUE事業の資金の一部が使われています。
【提供:日本釣振興会・編集:釣具新聞】
釣具業界各企業等が行っている環境への取り組みを紹介 → 「釣具業界 環境への取り組み特集」