今後の課題は効率の良い増殖事業
和歌山県下でも一部の河川で親魚放流や発眼卵放流が始まった。
さまざまな調査結果で稚魚放流の歩留まりの低さが指摘されながらも、同県では来年度から発眼卵放流が義務放流に含められるようになったばかり。残念ながらまだまだ短い期間で釣り切られる成魚放流と、稚魚放流が主体だ。
資源管理の面でもう一つネックになっているのが、和歌山県漁業調整規則で定められているアマゴ(マス類)採捕禁止の体長制限が10㎝に定められていることだ。
全国的に15㎝のところが多く、漁業調整規則よりも遊漁規則でさらに厳しくしている漁協もある。
群馬県では全国に先駆けて漁業調整規則で尾数制限(20尾まで採捕可)を定めているが、規則面からも乱獲を防ぐのは難しい。
和歌山県のC&R釣り場は全4カ所ともやるぞ内水面漁業活性化事業の助成金でスタートしているだけに、継続していくためには効率のよい増殖事業が不可欠だ。
現在のところ、和歌山県では県内水面漁業協同組合がまとめ役になって、内水面試験場やアマゴゾーニング協議会が機能し、ルアー・フライの無料レンタルサービスも行っているし、釣り人有志によるフィッシングスクールも各河川で行われている。
県下には13の内水面漁協があり、少しずつでもアマゴのゾーニング管理が進むことを期待したい。
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