海上保安庁は、「令和3年における船舶事故・人身事故発生状況(速報値)」を発表した。それぞれの発生件数は以下の通り。
・船舶事故件数…1970隻(前年比30隻増加)
・船舶事故に伴う死者・行方不明者数…68人(前年比29人減少)
・人身事故者数…1236人(前年比59人減少)
・人身事故に伴う死者・行方不明者数…442人(前年比45人減少)
・船舶事故発生状況
船舶事故1970隻中、プレジャーボートの船舶事故は全体の61%である1194隻(前年比22隻増加)だった。また、遊漁船に関しては、全体の3%となる68隻という結果となった。
船舶事故のうち、運航不能(機関故障)による事故が494隻(全体の25%)で最多となった。
・人身事故発生状況
人身事故者1236人のうち、マリンレジャー活動に伴う人身事故は全体の47%となる585人(前年比23人増加)、死者・行方不明者数は222人(前年比2人増加)という結果となった。
そのうち、釣り中の人身事故者数は全体の35%となる202人で最多となっている。前年と比べても15人増加しており、釣り中の事故は増加傾向と言える。
・令和3年に起きた釣り中の事故例
⑴発生日…9月20日
場所…広島県江田市沖
概要…プレジャーボートでエンジンをかけたまま釣りをしていたが、冷却水の警報が鳴ったため一旦エンジンを停止。その後、再起動を試みるも起動しなくなり、巡視艇により曳航救助された。
⑵発生日…10月2日
場所…三重県北牟婁郡紀北町沖
概要…60代の男性が、磯場で釣り中に足を滑らせ海中転落。瀬渡し船により救助されたが、搬送先の病院で死亡が確認された。
釣り中の事故は例年増加傾向にあり、事故内容では、令和2年までの過去3年間において、岩場や岸壁上で足を踏み外したり、波にさらわれるなどして海中転落する事故が多く発生している。
今後も釣りを安全に楽しむために、改めて事故防止対策を確認し「安全第一」に努めたい。
事故防止対策の再確認を!
・釣りを安全に楽しむための最低限必要な装備
⑴ライフジャケット
⑵釣り場に応じた履物
⑶通信装備(防水ケースに入れた携帯電話)
・釣りを安全に楽しむための留意事項
⑴無理をしない(天気予報の確認と体調管理)
⑵単独行動をしない
⑶釣行計画を第3者に伝えておく
⑷立入禁止区域に入らない
なお、海上保安庁が運営している、ウォーターアクティビティを安全に無事故で楽しむための総合情報サイト「Water Safety guide(釣り編)」でより詳細な安全情報が紹介されている。