西日本ではまだ一部に限定されている渓流魚のC&R(キャッチ&リリース)区間。しかし、東日本の河川では冬期開放も含めてアマゴゾーニング事業で集客率を伸ばしている釣り場が増えてきた。
和歌山県下では令和元年からスタートした水産庁の補助事業「やるぞ内水面漁業活性化事業」の補助対象事業として渓流釣り場の活性化に3期連続で取り組んできた。
県内水面漁連が中心になり、釣り人・行政・漁業関係者が連携したその活動は、釣りファン育成から資源増殖まで多岐に及び、高く評価されている。
釣り教室の開催、釣りタックルの無料レンタルなどで新たな渓流釣りファンの育成にも取り組んでいるが、やはり事業の中心となるのはC&R区間(ルアー・フライ専用区)の設置によるアマゴゾーニング事業。
和歌山県下の渓流釣りスタイルはまだ80%がエサ釣りのため、遊漁規則の変更に向けてすべての釣り人や漁業関係者とコンセンサスを得るのはまだ難しいのが実情だ。
ただ、「やるぞ内水面事業」1年目の貴志川から始まり、同2年目には七川、同3年目には紀伊丹生川と日置川が加わり、来シーズンは4河川の一部区間でC&R区間が設置されることになった。
増殖に関しては昨年の秋に七川漁協で親魚放流と発眼卵放流を実施し、今秋は日本釣振興会和歌山県支部が有田川と紀伊丹生川で親魚放流と発眼卵放流を計画している。
和歌山県下では来年以降、発眼卵放流も義務放流に認められるようになり、今後はより自然繁殖に近い増殖にも取り組んでいく漁協が増えそうだ。
現在は成魚放流に力を入れている釣り場も多いが、長いシーズン渓流釣りを楽しむためにフライフィッシングファンからは野生魚育成を期待する声が上がっている。
どのようにすれば渓流釣りが盛り上がるのか。
未来の渓流漁場管理方法を模索すべく、少しずつ和歌山県下の漁協の活動が変わろうとしている。
・令和4年度のアマゴC&R区間
紀伊丹生川(玉川漁協):初年度
貴志川(貴志川漁協):3年目
日置川(日置川漁協):初年度
七川(七川漁協):2年目
【提供:岸裕之氏・編集:釣具新聞】
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