【水害版BCPを作ろう】今から出来る!台風や豪雨災害から会社や従業員を守る取り組み

スペシャル ニュース

今回より、釣具業界の企業はもちろん、企業経営に役立つ様々な情報を紹介するコーナーを定期的にお届けします。第1回目は、これからの季節に心配な台風や豪雨災害から企業を守るためにどういった事が出来るのか。事前に出来る対策について紹介します。

水害はいつどこで起こるか分からない。だからこそ、事前の準備が重要だ

2020年7月に九州から東北までの広い範囲で豪雨が発生し、九州南部・北部、東海及び東北地方の多くの地点で、24、48、72時間降水量が観測史上1位の値を超えました。

これから台風の季節になり、水害の発生が懸念されます。

BCP(事業継続計画)策定支援資料は多く見かけますが、水害版BCP策定に関する情報は少なく、対応方法を探している経営者や担当者も多いのではないでしょうか?

今回、国土交通省九州地方整備局が作成した、「武雄河川事務所版水害版BCP対策」を参考に、水害に対する企業防災方法をまとめました。1―6のステップの順で「水害版BCP」を策定してみて下さい。

Step1・浸水ハザードマップの確認

まず洪水・高潮・河川氾濫などが起こった場合、自社の周辺はどのような影響を受けるのか、自社の地域の状況と災害リスクを確認します。

そのために「ハザードマップポータルサイト重ねるハザードマップ」(https://disaportal.gsi.go.jp/)のサイトを活用します。

住所を入力し、洪水・津波など災害種別を選択すると災害別にリスクを確認する事ができます。

ハザードマップポータルサイトのトップページ
ハザードマップポータルサイトのトップページ
ハザードマップポータルサイト
自社の住所を入力し、洪水、高潮、津波など災害種別にどういうリスクがあるのかを確認する(重ねるハザードマップの画面)

Step2・被害の想定

先の情報と「自社の防災の備え」の現状を確認し、洪水や津波が起こった場合、自社にどのような被害が発生するのかを整理します。

「浸水ハザードによる被害の確認」
・直接的な被害…会社の建物の浸水(浸水の深さや時間)など。
・間接的な被害…停電、断水、通信不能、道路浸水など。

「自社の防災の備えの現状確認」
・物理的な対策…防水扉の設置、土のうの準備など。
・組織的な対策…連絡網、体制整備、マニュアルの整備など。
・法務的な備え…契約、保険など。

以上の点をしっかり把握し、想定被害と自社の現状を整理しておきましょう。

「中小企業白書」には、自然災害に対する備えについて、具体的な対策や取り組み内容などがまとめられています。

このデータでは、被災により下がった売上が元の水準に戻るまでの期間について、被災以前に自然災害への備えを行っていた企業では、そうでない企業に比べて「半年以内」といった比較的短い期間で元の水準に戻る割合が高い事なども紹介されています。

備えを行っていた企業の方が、売上が戻る期間が短期間で済む傾向が分かる

水害に対する対策の他、災害全般に対する対策なども記載してありましたので、こちらも取組の参考にご活用下さい。

自然災害に対する備えの状況 → https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/
hakusyo/2019/2019/html/b3_2_2_2.html

Step3・重要業務の選定

重要業務とは「災害時であっても中断せず、遂行しなければならない業務」のことです。この重要業務は「緊急時対応業務」と「優先度の高い通常業務」の2つに分けられます。

・緊急時対応業務
「災害により発生する業務」を指します。直接的な被害対応としては、浸水防止のための土のう積み、機材・商品・顧客データが浸水しないよう移動する事を指します。
また、間接的な被害対応としては非常用電源の確保、輸送ルートの変更などが挙げられます。

・優先度の高い通常業務
災害が発生するか否かに関係なく「平常時から実施している業務のうち、特に重要性の高い業務」を指します。
優先度の高い通常業務として挙げられる業務の代表例として「重要顧客との連絡調整」、「社員への給料の支払に関する業務」などがあります。

Step4・ボトルネックの特定

ボトルネックとは、「業務を遂行する上での足かせ」のことです。
先の重要業務の選定を行った上で現状の人・物・コト・情報を振り分け「今できること」と「将来的に対応すべきこと」を仕分けます。

「今できること」の実効性をあげるために連絡網やマニュアル類の整備を行い、「将来的に対応すべきこと」をまとめたものを、ボトルネックとしてBCPに記載します。

国土交通省九州地方整備局武雄河川事務所「水害版BCP」
ボトルネックを表にあわらした例(国土交通省九州地方整備局武雄河川事務所「水害版BCP」クイックスタートガイドより)

Step5・BCP発動基準、収束基準の決定

大規模な浸水などの災害に対応するには、通常とは異なる行動基準を組織として共有し、いざという時に混乱なく対応できるようにしておくことが重要です。

そのため、どういう時に発動するのか、そして収束するのかも予め明確にしておいた方が良いです。

・BCP発動基準
「災害発生に伴い会社として通常営業を停止させ、災害時対応に切り替える基準」のことです。
発動基準は、どれくらいの浸水で通常業務が遂行できなくなり、かつ会社に甚大な被害を及ぼすのかを検討した上で決めます。

・BCP収束基準
「災害時対応を取りやめ、通常営業に切り替える基準」のことです。
収束基準を決める時は、たとえ緊急時対応業務が残っていたとしても、平常時に行っている通常の業務が遂行できるようになればBCPを収束することを念頭において決定します。

Step6・水害版BCPの取りまとめ

これまでの検討結果を冊子に取りまとめましょう。

このとき、重要業務の一覧を工程管理表のようにまとめると見やすくなります。社内掲示版や配布等により、関係者間で共有・周知徹底しましょう。

最後に、災害対策の課題解決で、何かお力になれそうなことがございましたら、お気軽にお声がけ下さい。
(株)エイコー 事業推進部 お客様対応力強化支援チーム
(TEL 0120-506-815)
  https://www.eicoh.com/

関連記事 → 【9月は防災月間】アレがあると災害時に安心度アップ、備蓄品見直しのポイントは? | 釣具新聞 (tsurigu-np.jp)

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