今まで釣具業界がアプローチできなかった多くの人にアプローチ。釣りのイメージを変える可能性も
「ダイワピア39」は、実際に若い人を中心に注目されるブランドとなっている。今まで釣り具メーカーのアパレルは、あくまで釣り人が中心に着るものであり、どこかその殻を破れないでいた。
例えば、アメリカではフィッシングとアウトドアの間に大きな壁はない。バスプロショップでもアウトドアの衣料の横に釣り具が置かれてあり、アウトドアと釣りの間に明確な境目は感じられない。しかし、日本はどこか縦割りだ。釣具店とアウトドアショップは、明確に分かれている印象がある。
しかし、ECも拡大する中、そういった境目はどんどんなくなっており、いち早く気付いているアウトドアメーカーが、釣具市場に先に入ってきている状況だ。
一方の釣り具メーカーは逆に外に向いて攻めきれていない印象だ。決してアウトドアメーカーの商品と比べて性能面でも劣らず、むしろ高品質なモノを作れるにも関わらず、釣具業界の中に留まっている印象を受ける。
「ダイワピア39」は、そういった今までの釣り具メーカーの殻を打ち破るブランドになり得る。どうしてそれが出来たかと言えば、「釣り」の持つイメージや訴えかけるモノを、ファッション感度の高い人に向けて、ビームスが上手く編集し、世の中に発信した事が大きい。
釣りの文化を背負ったアパレルが成功していく事は、今まで釣具業界が全くアプローチできなかった多くの人にも、釣りに意識を向けてもらう良い機会にもなる。また、釣りのイメージを変えていく役割も担うはずだ。釣具業界にとっても必要な事であり、今後も注目される取り組みだ。
(※本記事は釣具新聞2020年11月5日付号に掲載された記事です)
(了)
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