8月8日、「大阪湾稚魚放流」が今年も行われた。主催は(公財)日本釣振興会大阪府支部と大阪府釣り団体協議会。協力団体は(公財)大阪府漁業振興基金、大阪釣船業協同組合、大阪釣具協同組合。
この放流事業は「チヌの海ふたたび」を合言葉に1983年に全国にさきがけて行われ、継続されてきた。
当時は工業廃水等による水質の悪化やレジャーブームの到来で釣り人が増加した事もあり、魚族資源の減少も危惧されていた。こういった事態に対応するために放流事業が開始された。
大阪湾へのチヌ稚魚の放流は、その後も毎年継続して実施され、今回で第38回目となる。
この運動は多くの釣り人や関係者の共感を呼び、全国各地へ拡がりを見せてきた。放流を続けてきた成果もあってか、近年、大阪湾は良型のチヌが数多く釣れる釣り場として有名で、全国から釣り人が訪れるようになっている。
当日は快晴、暑い中での放流となった。スタッフには日釣振大阪府支部役員、大阪府釣り団体協議会、大阪釣船業協同組合、大阪府釣りインストラクター連絡機構、ヒューマンアカデミー大阪校の学生、業界関係者、釣り人、メディア、そしてボーイスカウト16名が参加し、放流が行われた。
午前9時半頃に大阪市此花区にある舞洲の常吉大橋下にスタッフと放流船が集まり、10時頃よりセレモニーが行われた。
セレモニーでは主催者を代表し日釣振大阪府支部の橋本支部長より関係者へのお礼と放流の目的、日釣振の活動内容の説明等が述べられた。続いて大阪府釣り団体協議会の倉田会長からも挨拶が述べられた。
その後、参加者の集合写真の撮影が行われ、トラックで運ばれてきた稚魚が、バケツリレーで放流船に積み込まれた。
積み込みが完了すると全隻が、それぞれの放流場所に向けて出船した。 今回放流されたのは、近畿大学水産養殖種苗センターから調達したチヌ約1万8000尾、大阪府漁業振興基金栽培事業場から調達したキジハタ4300尾となる。
撮影用にボーイスカウトも船に乗り込み、常吉大橋周辺でチヌの稚魚を放流した。常吉大橋下に戻る。他の船は、稚魚の成育を考慮しながら大阪湾の各所を回り放流を実施。今年も無事に多くの稚魚が大阪湾一帯に放流された。
出船場所に戻ったスタッフとボーイスカウトは、常吉大橋周辺の清掃活動を行った。定期的に清掃が行われている場所だが、多くのゴミが集められた。
主催者では、今後もこのチヌ稚魚放流をシンボルとして、海の自然の復活を願いながら、釣り場環境の保全、釣りの普及、釣り知識やマナー向上等の事業に取り組んでいくとしている。