環境省では昨年9月12日に「第1回オオクチバス等に係る防除の指針改定に係る検討会」を開催した。
これを受けて、(公財)日本釣振興会では昨年11月の理事会で検討会についての報告が行われ、環境省に対し抗議文を出すという理事会の決議を経て、12月2日、(公財)日本釣振興会の髙宮俊諦最高顧問、常見英彦会長、鈴木康友副会長、下山秀雄専務理事、麻生事務所の野田秘書が環境省を訪れ、浅尾慶一郎環境大臣に意見書を提出した。
環境省からは植田明浩自然環境局長、中澤圭一野生生物課長、松本英昭外来生物対策室長、藤田道男外来生物対策室長補佐が出席した。
昨年、釣り界にとっては突如として始められた「オオクチバス等に係る防除の指針改定に係る検討会」には、その委員に釣り関係者が入っておらず、委員の人選について不可解な点がある。
また、検討会の中で釣り人や違法放流、密放流について述べられており、あたかも釣り人が違法放流しているような意見も出されている。こういった事が一方的に議論され、何らかの指針や規則が考えられるのは明らかにおかしい。
以下では、日本釣振興会が環境大臣に提出した意見書のほぼ全文を掲載する(表記など一部編集)。釣り界は引き続きこの問題に注視し、必要な行動を取っていく事が求められる。
意見書「オオクチバス等に関わる防除の指針改定に係る検討会」設置及び審議検討事項について
環境大臣 浅尾慶一郎 様
公益財団法人 日本釣振興会
最高顧問 高宮俊諦
会長 常見英彦
昨年9月12日、環境省主催で「第一回オオクチバス等に係る防除の指針改定に係る検討会」が開催されました。
当振興会におきまして、その検討会での協議内容や委員の選定等について、余りに実態と異なる意見が出ている事に驚き、貴省に対し現実を踏まえた議論をすべき、全会一致で抗議文を出す必要があるという事で、今回の意見書を提出させていただきました。具体的には以下のとおりです。
1.検討会の委員の選定について
通常、このような検討会のメンバーを選定する際は、現場や現状を熟知している人物や、利害関係者を公平公正にバランスよく選定するものと理解をしています。22年前、環境省が主催で開催された「オオクチバス検討小委員会」でも、当時オオクチバス擁護派と言われた東京海洋大学海洋学部の水口憲哉教授、(社)全日本釣り団体協議会の來田仁成専務理事、(財)日本釣振興会の髙宮俊諦副会長の3名が選出され、一方に偏らない活発な議論がかわされました。
ところが、今回の選出メンバーには、そのようなバランスを取ったものになっていません。なぜ、そのような委員の選定になったのでしょうか。