クロマグロは一時危機的な資源状況になった結果、国際的な資源管理が厳格に実施されるようになったが、近年では各国の取り組みにより資源が回復傾向にある。
7月16日、北海道釧路にて開催された中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)等は、「くろまぐろ大型魚(30㎏以上)の2025年以降年間漁獲枠を、各国とも現行の1.5倍に原則拡大する」ことで合意した。
本合意を受け、クロマグロの国内配分については、9月から12月上旬に開催予定の水産政策審議会資源管理分科会くろまぐろ部会において、配分の考え方をとりまとめることとされている。
一方で、現在、遊漁に関しては年間40トンを月ごとに配分し、枠を超えたら採捕禁止の通達が発令されている。その為、毎月初めは争奪となり、数日で規定量をオーバーしてその月は採捕禁止となっているのが現状だ。
そこで、NPO法人スポーツフィッシング推進委員会、公益財団法人日本釣振興会、一般社団法人全日本釣り団体協議会、一般社団法人日本アングラーズ協会の4団体の連名で、10月1日、遊漁枠の創設や増枠、採捕禁止期間中のキャッチ&リリースでの遊漁の実施等を求める要望書を水産庁の森健長官に提出した。
水産庁への要望事項
要望事項は以下の通り。
1.クロマグロ資源管理における「遊漁枠」の創設と管理の実施
2.クロマグロ資源管理における現行の年間約40トンの遊漁の暫定枠について、遊漁者および遊漁船事業者の経営実態(採捕実績)を反映した経済活動に支障のない遊漁枠数量の設定(例:令和6管理年度においては、月別配分7トンが4~5日程度で採捕禁止。月内の遊漁船営業が継続できることを考慮すると7トン×5/月×12で400トンから500トン程度が必要)
3.遊漁者の届出制等における採捕者の情報管理を前提とした上で、遊漁船事業者の営業活動継続のために年間を通じたキャッチ&リリース(放流)でのクロマグロ遊漁の実施
4.遊漁者の水産政策審議会資源管理分科会くろまぐろ部会及び、広域漁業調整委員会への委員参画による民主的で公正な議論及び決定手続きの確保
なお、この件については約5000名の署名がオンラインで集められ、その報告も行われた。
【提供:日本釣振興会・編集:釣具新聞】