「九州リポート福岡発!」は、全九州釣ライター協会の会長・小野山康彦氏の連載です。公益財団法人日本釣振興会九州地区支部の活動ほか、九州の様々な情報を紹介します。
今回は北九州市門司区にある互栄門会(ごえもんかい・池田潔会長)主催の釣り大会「互栄門会杯in大里親子釣り大会」と、同大会に協力する全日本サーフキャスティング連盟北九州協会(中島康彦協会長、以下北九州協会)の取り組みについてご紹介します。
互栄門会は2005年、北九州市門司区の未来やまちづくりに関する問題を討議・研究し、門司区の発展・繁栄に寄与すること、また、会員相互の情報交換・友好関係を築き、親交を深めることを目的として結成されました。
同会の名前の由来は「互いに」「栄える」「門司」という願いが込められています。
同会は北九州市と山口県下関市を挟む関門海峡で行われる両市最大級のイベント・関門海峡花火大会のお手伝いをはじめ、神社の清掃、ボランティア活動、親子釣り大会の企画・運営などを行い、地域の方々のご協力を得ながら発展を続けてきました(互栄門会ホームページより一部引用)。
北九州市の門司港エリアは「門司港レトロ」と呼ばれる観光地があり、多くの人が訪れています。しかし、地元では人口減少や親子間のコミュニケーション不足などの課題がありました。
そんな中でメンバーから、「関門海峡で初心者や親子の釣り大会を企画してはどうだろう」と発案があり、2008年に門司区大里地区の遊歩道が整備された岸壁で第1回大会を実施し約50名が参加しました。
ほのぼのとした釣り大会。魚拓コーナーやゴミ拾いも実施
会場の岸壁は関門海峡が見渡せる風光明媚な立地にあり、海側には柵が設けられて安全に釣りができる環境です。
第5回大会からは北九州協会が運営や釣り指導などを全面協力するようになりました。
釣りを全くしたことがない親子に仕掛けの作り方、餌のつけ方、仕掛けの投げ方などひとつひとつ丁寧に教え、毒のある魚は写真を掲示して説明。キャストする時は前後左右の安全確認を徹底するなどの指導を行い、安全に楽しむ釣り大会をめざしました。
大会には100名を超える家族が参加して、親子のコミュニケーションを図りながら、ほのぼのとした雰囲気の中で魚が釣れるたびにあちこちから歓声が上がります。
この大会では魚を釣り上げた状態(針に掛かったまま)で検量所に持ち込みます。こうすれば、万が一トゲや毒のある魚が釣れても触らないので安全です。
また、北九州協会の会員が拓す「魚拓コーナー」では、たとえ小さな魚であっても記念になるからと順番待ちの列ができ、「家に飾ります」と話す子供たちの笑顔が弾けます。
同協会はこの大会で釣り場のゴミ拾いを行い、環境保護の活動を広めました。
第8回大会から全日本サーフキャスティング連盟は、北九州協会のこれらの活動に対して釣り人育成資金(連盟助成金)を拠出し助成事業としてバックアップしています。
2022年の第12回大会で築城護副会長は、「門司の良いところを知ってもらい、できれば移住も考えてほしいですね」と話しました。ご自身が下関市から門司区に移住したことから、門司を愛する強い気持ちが伝わってきます。
地元を愛し活性化を目指す互栄門会は、釣り大会を通じてのにぎわい作りや環境保護、門司区の未来やまちづくりに寄与する活動をこれからも続けていきます。
問い合わせは、釣り大会実行委員会(080-3902-1490)=築城さん。