海底から回収したルアーを溶かし、新たなルアーに。ゴミから作られた「メタルフェニックス」【マリンスイーパー】

スペシャル ニュース

世界一環境に優しいルアー誕生!?実際の生産現場に密着!

取材に行った3月下旬、この日はメタルフェニックスの初回生産が行われる日だった。

土井さんは、今まで貯ていたリメイクが出来なかった回収物を持って、KATO SEIKOを訪ねた。回収物はあらかじめ分別がされており、鉛で出来た釣り具のみとなっている。

リメイクできなかった回収物
この日は約75㎏の回収物を納品。全て溶かされ、新たなメタルジグに生まれ変わる

製造工程は以下の手順で行われた。

まず初めに、回収物を窯に入れて大型のバーナーで熱して溶かす。この時、鉛の融点である320℃~330℃に達すると鉛だけが液状になるため、融点が異なる不純物(鉄で出来たワイヤー部分等)を取り除くことが出来る。

回収物を溶かしている様子
大型のバーナーで直接回収物を熱する
鉛から不純物を取り除いている様子
融点に達すると鉛は液体状になるため、ワイヤーなどの鉛の融点では溶けなかった不純物を取り除くことが出来る
液体状の鉛
純度の高い液体状の鉛が完成

その後、液体状の鉛を型に流し込み時間を置くと、冷え固まってインゴット状の鉛が出来る。

鉛を型に流し込んでいる様子
並べられたインゴットの型に鉛を流し込んでいく
土井さんと冷却中のリサイクル鉛
初回生産のため、一連の作業を初めて見た土井さん。「こんなに綺麗に溶けるとは…」と驚きの様子
リサイクル鉛のインゴット
冷ますと固まるので、型から取りだしたら鉛のインゴットが完成

鉛のインゴットが出来たらもう一度高温の炉で溶かし、専用の機械でルアー型に流し込むとメタルジグが製造される。

インゴットを溶かしている様子
インゴットを再び高温の炉で溶かす
鉛を型に流し込んでいる様子
専用の機械を使い、ルアー型に流し込んで高速で冷やすと…
メタルフェニックス
メタルジグが作り出される。今回の型は1回で5個のメタルジグが作られる
型から取り出したメタルフェニックス
メタルフェニックス
手作業で1つ1つに分解し、形を整える

その後、専用の研磨機にかけて形を整える。以上の作業をKATO SEIKOで行った。

メタルフェニックスの研磨の様子
研磨してさらに形を整える。ここでは形状不良やワイヤーのズレなども細かくチェックされる

研磨が終わったメタルジグは土井さんの元へ納品され、後の塗装などは土井さんが行う。

研磨が終わったメタルフェニックス

ここまでの工程で完成したメタルジグを見ると、普通の鉛で作られたメタルジグと差は見られず、言われなければゴミから作ったメタルジグとは気が付かないだろう。当初からマリンスイーパーへの協力を担当していた加藤芳基さん(KATO SEIKO 営業担当)に聞いても、「見た目では普通のメタルジグと違いが分からないレベルです」とのことだった。

メタルフェニックス
「リサイクル鉛」で作られたジグ。普通の人なら一般的なジグと見分けはつかないだろう。この後は下地加工、フォログラム転写、塗装が行われ、メタルジグが完成する
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