釣りは人の心を癒すと言われています。また自然を相手にする知的遊戯だとも言われています。釣りに出かけることによってリフレッシュできますし、活力の充填になることは多くの釣りをする人が感じていることでしょう。
ここで忘れてはならないことは、釣りは自然環境にインパクトを与えるということです。知的遊戯の相手が命あるものだからです。これまでに何度かお話しした内容とかぶるかもしれませんが初めて読む方のために、復習のために念押しでお話ししましょう。
奥多摩湖で見かけた釣り人、外道を釣り上げたが…
つい先日、奥多摩湖にブラックバスを釣りに行った時のエピソードです。この湖は透明度が高く、都内ということもあり超ハイプレッシャーです。
それは釣りバブルであった30年前よりもさらに強く、魚たちは世代が変わっているものの、生まれた時から人や鳥の恐怖に晒されているので賢いといえます。
そこで私たちは魚に気配を悟られないようにするために、迷彩服を着てキャッチ&リリースをして、ルアーを投げたものです。これも先述の知的な遊戯の所以です。
この日は釣れなかったのですが、他の場所に若いルアー釣りの人がいたので同行者と一緒に見ていました。するとヒットしました。私たちが頑張っても釣れなかったのにさすがだと驚いていたらその魚はバスではなく、ニゴイでした。
するとその若者は崖を降りルアーを掴んだのでそこでリリースするのかと見ていたら、魚を持ってまた崖を登りました。平らなところで写真を撮るのかなと思っていたら、上でそのままハリを外し、足で魚を転がしたのです。魚はもんどり打つように崖を転がり落ち、水中に消えました。
これをリリースと呼べるでしょうか?目的外の魚だからそうしたのか、バスでも彼はそうしたかは分かりません。
魚は声を発しませんので痛くても「きゃー」とか「痛い」とか言いません。余談ですが、口の周りも「痛みを感じない」と思っている方は多いかもしれませんが、それは間違いです。
魚は痛みを感じています。ここで説明すると長くなるので、信用できない方は「魚は痛みを感じるか?」(ヴィクトリア・ブレスウエイト著・紀伊国屋書店)をお読みください。眠くなるほど詳しく書かれています。