1パーセントのソーシャルグッド。ジャクソンが行うユニークな環境活動とは?

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釣具業界 環境への取り組み特集

株式会社ジャクソン(静岡市本社・加藤慶太社長)は、2022年から環境問題に対する取り組みを本格的に開始しており、その内容もユニークだ。特に「#1パーセントのソーシャルグッド」は協力企業も増えており、釣具業界でも注目される取り組みとなっている。他にもジャクソンでは水辺清掃の協力や子供のライフジャケット着用拡大に協力するなど、様々な活動を行っている。加藤慶太社長に環境問題に対する想いを伺った。

1%のソーシャルグッドの活動風景
釣具業界でもユニークな取り組みだ。ビジネスの拡大と環境への配慮が上手く共存できる仕組みとなっている

――「2022年3月に『1パーセントのソーシャルグッド』というスローガンを掲げて、水辺清掃や稚魚放流をされているそうですが、具体的にはどのような活動なのですか?」

加藤代表(株式会社ジャクソン代表取締役、以下「加藤」)「具体的には、毎年3月から翌年2月末まで(弊社会計期間)の、ルアーの年間販売数量の1%に相当する数の稚魚を放流しています。また、私を含む全社員の総労働時間の1%を水辺清掃や海中清掃、放流等の環境保護活動に充てるという活動です」。

――「それはユニークな取り組みですね。差し支えなければ、年間どれぐらいの放流数や清掃時間になるのですか?」

加藤「まず弊社の総労働時間についてですが、2021年3月1日~2022年2月28日までを集計期間として、社長含めて社員の数が18名、社員の1日の労働時間は7.75H(時間)です。また昨年度の年間就業日数が245日なので、これらを掛け合わせると18×7.75×245=34,177.5H(時間)となります。これの1%ですから、約342時間を清掃や放流活動に充てることとなっています」。

1%のソーシャルグッドの活動風景
社員やその家族も参加して水辺の清掃を行っている。ただ、思わぬ問題も?

――「342時間というと相当な時間ですね。それだけの時間、清掃や放流が出来るのですか?」

加藤「実際にやってみたら、かなりハードでした(笑)。想定していなかったのは、1日中水辺の清掃を行う事は体力的にも相当難しく、人間の集中力が持つのはせいぜい2時間が限界だったということでした。釣りの取材や実釣テストの際にこの活動を行おうとすると、すでに釣りで疲れ切った体に鞭を打っての清掃となりますので、どれだけ頑張っても1時間ぐらいしか出来ません。このペースだとノルマの342時間がクリアできないので、当初は相当に焦りました。

しかし、この活動には、小売店様や他の釣り具メーカー様(2022年11月時点では高階救命器具、エイテック、イシグロ、バリバス)が我々の考え方に賛同してくれ、活動に協力するため一緒に清掃活動を行ってくれるという、思わぬ反響もありました。これは本当に有難いと思っています」。

1%のソーシャルグッドの活動風景
この活動に協力してくれる企業と一緒に水辺の清掃を行っている(写真は高階救命器具)
1%のソーシャルグッドの活動風景
テイルウォーク(エイテック)とも合同で釣り場の清掃。活動の輪が広がっている
1%のソーシャルグッドの活動風景
バリバスとも合同で清掃活動を実施
1%のソーシャルグッドの活動風景
釣具量販店のイシグロとも合同で活動を行っている

――「素敵な展開ですね。SDGsにも『パートナーシップで目標を達成しよう』という項目がありますが、まさにこれですね。さて、稚魚放流の方は、どうなっていますか?」

加藤「先ほどと同じ期間で集計すると、前年度の弊社の年間ルアー販売数量が1,470,691個でした。これの1%ですから14,707尾として、ヒラメの稚魚を約14,800尾放流することとしました。

放流の第1弾として5月に静岡市三保内湾に4,930尾。第2弾として11月に茨城県日川浜に5,500尾、そして第3弾は12月に愛知県大草海岸にて4,940尾、合計14,800尾の放流を行っています」。

ジャクソンのヒラメ稚魚放流の様子
ヒラメの稚魚放流の様子

――「稚魚放流は稚魚の購入費用や輸送費も掛かるので大変な事業だと思いますが、釣り人に喜ばれる活動だと思います。これだけいろいろな活動をされていますが、そもそも『1%のソーシャルグッド』という活動を始められたキッカケな何ですか?」

インタビューに答える加藤慶太社長
「こういった活動は続けていく事に意義があると思います」と語るジャクソンの加藤社長

加藤「私はユーザーの皆さんがどうなれば嬉しいだろうかと、原点に帰ってシンプルに考えました。そして、その答えは3つあると思いました。

一つ目は『よく釣れる道具を手にする事』です。二つ目は『魚が増える事』です。やはり、魚がよく釣れると嬉しいです(笑)。三つ目は『釣り場を減らさない』という事でした。

一つ目の良く釣れる道具を開発する事はメーカーの役割だと思いますし、弊社も創業以来ずっと行っている事です。しかし、後の二つ目と三つ目については具体的な活動は出来ていませんでした。当社を支えてくれているユーザーの皆さんに喜んで頂ける事を通じて、何か還元出来る仕組みを作れないかと思い、形にしたのがこの1%のソーシャルグッドの活動です。

実際に活動を始めると、協力してくれる企業も出来てとても嬉しいですし、今後は釣具業界だけでなく地元企業等にも協力してもらうなど活動の輪を拡げていければいいなと思っています」。

――「ジャクソンは海中清掃等を行っているMarine Sweeper(マリンスイーパー)の活動にも協力しておられますが、これはどういった活動をされているのですか?」

加藤「マリンスイーパーさんは、ダイビングで海に潜り、根掛かりしたルアーや糸等を回収しています。ルアーはリメイクして販売されているのですが、ジャクソンでは回収してもらった弊社のルアーを買い取らせてもらっています。活動費に充ててもらえればと思っています」。

加藤慶太社長の水中清掃の様子
加藤社長自身も海に潜って清掃を行っている

――「ジャクソンでは子供のライフジャケット着用推進にも協力されていますね」

加藤「ライフジャケットについては、『子どもたちにライジャケを!』という活動をしている、森重裕二さん(ライジャケサンタ)という方がおられて、その活動を応援しています」。

――「ライジャケサンタというのはどういった活動なのですか?」

加藤「森重さんは子供の頃からカヤック等を楽しまれている元小学校教員なのですが、学校の行事で川に行った際に子供が目の前でおぼれて危ない事があったそうです。森重さん自身は水辺の安全について詳しいと自負していましたが、それだけでは子供たちの安全を守る事が出来ないと痛感し、その後、勤務している小学校で水辺の安全やライフジャケットの必要性を訴えるようになったそうです。

静岡市教育長に絵本を寄贈するジャクソンの加藤社長
静岡市の全83校の小学校に絵本を寄贈した

そのような活動を行われていたのですが、2007年に近隣の小学生2名が川で亡くなるという痛ましい事故が起きました。その事故をキッカケに活動を拡げていくこととなりました。

弊社が行っている支援の内容としては、『かっぱのふうちゃん』という絵本を販売されているので、その購入や、教育委員会を通じて、書籍を静岡市の小学校全83校に寄贈させてもらうといった活動を行っています」。

――「最後に、今後1%のソーシャルグッドの活動はどのような展開を考えていますか?」

加藤「まず…辞められないですよね(笑)。こういった活動は継続していく事に意義があると思います。大変な部分もありますが、ユーザーの皆さんに喜んでもらえる活動でもあると思うので、頑張っていきます。『ソーシャルグッド』ですから、放流や水辺の清掃以外にも将来的には色々な貢献が出来ると思っています」。

ユーザーと企業が協力し合える優れた取り組み

釣具に関わる企業も何らかの形で環境への負荷は与えている。ジャクソンの活動は、ユーザーと企業が足並みを揃えて、良い釣り場環を保つための循環を生み出せる優れた取り組みだ。ユーザー目線を大切にするジャクソンならではの発想だと思われる。協力していく企業も更に増えそうだ。今後の取り組みが注目される。

(了)

関連リンク

関連記事 → アングラーの必需品、オシャレな携帯用ゴミ箱「ポッシュ」。釣り以外にも様々なシーンで大活躍【ジャクソン】 | 釣具新聞 | 釣具業界の業界紙 | 公式ニュースサイト (tsurigu-np.jp)

ジャクソン公式HP → ジャクソン

マリンスイーパー公式HP → トップページへ│Marine Sweeper(マリンスイーパー)

子供たちにライジャケを! → 子どもたちにライジャケを! – 思いはただ1つ・・・子どもたちの命を守ること。 (lifejacket-santa.com)

釣具業界各企業等が行っている環境への取り組みを紹介 → 「環境への取り組み特集」

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