成山党書店は、「新訂 アオリイカの秘密にせまる」を発行した。
上田幸男氏(元徳島県立農林水産総合技術支援センター水産研究課)と、釣具新聞でも執筆している海野徹也氏(広島大学大学院教授)の共著。監修は公益財団法人日本水産学会。
謎の多いアオリイカの本当の生態に迫る!
見てよし、食べてよし、釣ってよしの、「イカの王様」と呼ばれるアオリイカ。
昨今のエギングブームもあり、アオリイカに関する情報を集めた書籍が出版されているが、アオリイカの本当の生態にせまったものは未だ見当たらない。
本書は、25年の研究をベースにした「日本で最初のアオリイカ徹底研究本」だ。
アオリイカの謎につつまれていた繁殖行動や、複雑な行動を司る脳神経、多種多様な釣法や漁法を解説。また、美味しく味わうための栄養成分と調理方法や、環境の変化がアオリイカに与える影響についても解説されている。
「新訂 アオリイカの秘密にせまる」目次
第1章 アオリイカを知る
第2章 神秘的な「繁殖行動」にせまる
第3章 驚異的に成長し,わずか1年で幕を下ろす生涯
第4章 小さな旅人、アオリイカの生死をかけた大回遊
第5章 「どん欲、どう猛、気まぐれ」な摂餌生態
第6章 プロの漁師に学ぶ「釣法」と「漁法」
第7章 その歴史から選び方まで「エギ」を科学的に分析する
第8章 「イカの王様」アオリイカを堪能する
第9章 環境の変化がアオリイカに与える影響を問う
45日で体重360倍!1カ月で250㎞泳ぐ個体も。アオリイカの驚異の生態が明らかに
第1章~第7章では、アオリイカの生態や釣法と漁法、エギについて解説されている。
一生のうち6カ月という長い産卵期間をもつアオリイカの繁殖行動や、45日間で体重が360倍にもなる稚イカの成長について。また、回遊について解説された第4章では、1カ月で250kmも泳ぐ個体がいることが紹介されている。
第5章、6章では釣り人必見のアオリイカの摂餌生態や、泳がせ釣り、ヤエン釣り、エギング、ティップランについて解説。第7章ではエギのルーツ、選び方やカラーについて科学的に分析している。
イカ釣りがより面白くなる内容となっている。
アオリイカを美味しく食べる方法や環境変化の影響も
第8章では、アオリイカをさらに美味しく食す方法を解説。アオリイカのシメ方や冷やし方、捌き方から調理法まで紹介されている。
第9章は、環境の変化がアオリイカへもたらす影響について。アオリイカの親の数と子の数の関係、米の豊凶とアオリイカの好不漁の関係性などが解説されている。また、繁殖をサポートする人工産卵床についても解説されている。
アオリイカの生態に興味がある人はもちろん、イカ釣りを楽しむ釣り人にとっても興味深い内容の一冊となっている。ぜひ、「新訂 アオリイカの秘密にせまる」を読んでイカ釣りをもっと楽しんではどうだろうか。
書籍の詳細は、成山堂書店公式ホームページまで。
↓ 著者・海野徹也氏による連載記事 ↓
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