2024年12月7―8日の2日間、全国のヤイバ磯祭りを勝ち抜いた19名、前年度シード権獲得者3名、海外から2名の24名の参加者が愛媛県宇和島に集い、「ヤイバ磯祭り 全国決勝ファイナルステージ」が開催された。
大会両日ともに今年最強の寒波が入ってきた影響で、日振島本島には渡ることが出来ず、宇和島湾内での闘いとなった。
湾内での試合となった為、競技説明時には釣座の確認とタイムスケジュールの変更が小松大会審判長から説明があり、選手は九島周りの堤防へと出船をした。
予選リーグ
宇和島湾内での釣りでは、魚影は濃いがその中から良型を如何にして揃えるかが勝敗の分けるポイントとなる為、選手達はリミット10尾を揃えた後も、次々と手返しを重ね、リミットの入れ替えで少しでも重量を稼ごうと最後の1秒まで良型のグレを追い求めた。
準決勝戦
Aブロックは沖縄の比嘉選手と福岡の小家選手が対決。場所は赤灯台。お互い数は釣るものの比嘉選手が良型を着実に釣り、前回と同様に決勝戦へと駒を進めた。
Bブロックは熊本の下西ノ園選手と大阪の河西選手が対決。場所は百ノ浦。前半、数・サイズ共にリードをしていた河西選手を下西ノ園選手が深棚を狙い、繊細なアタリから良型を拾って追い上げ、辛くも逆転勝ちを収めた。
Cブロックは愛媛の和泉選手と静岡の伊藤選手が対決。場所はハマグリ。地元宇和島出身で数々の競技会で高成績を残している和泉選手は、落ち着いた試合展開で伊藤選手との差を着実に広げていき、危なげなく決勝戦へと駒を進めた。
決勝戦
決勝戦の場所は白灯台となった。21名のギャラリーに迎えられ、決勝の舞台へ降り立ったのは比嘉選手、下西ノ園選手、和泉選手。緊張感が漂う中、お互い握手を交わし釣座選択を行った。
本命は海に向かって左側。左右の両選手の状況を把握しやすく、試合へのリズムを掴みやすい中央の釣座。第二本命の右側は潮を右から左へと走る潮上の釣座。第一ピリオド、左から比嘉選手、下西ノ園選手、和泉選手と釣座を構え、決勝戦のホイッスルが鳴った。
それぞれの選手は、静かに淡々と自身のペースを大切に、丁寧にグレを釣っていく。序盤は潮下の比嘉選手の釣座へ小型のグレが集まり出す。本命場所ながら、小型のグレに手を焼く比嘉選手。反対に潮上となる和泉選手は、深棚まで丁寧に探り良型をポツリポツリと釣っていく。下西ノ園選手は両側の選手の様子を見ながらではあるが、こちらも良型を時折釣り上げる展開。
第2ピリオド、第3ピリオドと釣座を時計回りにローテーションし、時間がゆっくりと流れて行く。第2ピリオドに本命の左側に入った和泉選手はギアを一段二段と上げ、タモ入れのシーンが多くなる。この辺りから2人の選手との差が開くのが分かった。
決勝戦終了、そして検量
最後に検量を終えた和泉選手が7年目にして、念願の優勝を果たした。サポーター役で和泉選手を支えた竹中選手とガッチリと握手をした瞬間は非常に感動したシーンとなった。
こうしてファイナルステージが終了となったが、悪天候により様々な状況判断が迫られる中、無事に運営をして頂いた審判役員の皆様、はまざき渡船様、三浦渡船様、有難うございました。そして熱い闘いを繰り広げて頂いた選手の皆様、お疲れ様でした。またこの決戦の舞台でお会いできることを祈念しております。
【提供:ささめ針・編集:釣具新聞】