つり環境ビジョンコンセプトに基づくLOVE BLUE事業では、清掃事業・放流事業・釣り場拡大事業を優先三事業として推進している。
そんな中、日本釣用品工業会では近年人気が高まりつつある、手軽な「ワカサギ釣り」を釣り場拡大事業として推進。
孵化装置や親魚捕獲用定置網、自然産卵水槽等を、地域の要望に合わせて、漁協や自治体、水産試験場等へ物納で支援している。
2017年度にモデル事業を長野県と群馬県で行い、 2018年度からは全国を対象として支援を開始。この6年間で16道県・合計24団体へ支援している。
岩倉ダムのワカサギ釣りを、南信州の人気レジャーに!
今回は、2024年1月1日に新たにワカサギ釣り場がオープンする、長野県売木村の岩倉ダムの取り組みを紹介する。
同事業の2022年度の支援先である長野県下伊那(しもいな)漁業協同組合管内の岩倉川水系 「岩倉ダム」。
同漁協では、同事業への応募と併せて、 この水域のワカサギ漁業免許申請を進めて おり、ついに2024年1月1日に交付されることが決定。
すでに同漁協では、 岩倉ダム管理者である中部電力株式会社や、地元の売木村(うるぎむら)とも連携し、 岩倉ダムのワカサギ釣りを、 南信州の人気レジャーの1つとして育てるべく動き出している。
魅力的な「ワカサギ釣り+キャンプ」も!試し釣りでは釣果も確認
岩倉ダムは、湖面へアクセスしやすい緩やかな地形が特徴。現地への道のりや湖畔へのアプローチが容易な、親しみやすい湖だ。
同漁協では以前よりアマゴを放流し、 周辺の渓流釣りと併せて、長年地域の釣り人に親しまれている。そして、秋~春はワカサギ釣り場としてさらに魅力的になるよう、様々な取り組みが進められている。
ダムの湖畔には夏でも涼しく過ごせる 「村営岩倉ダム キャンプ場」 が整備されており 、 夏は避暑地として、秋の紅葉シーズンは景勝地として来訪者が増える人気スポットだ。
釣り場が開設した際は、このキャンプ場が入漁券購入等、釣り人の入り口となる予定。関係者の間では今後、「ワカサギ釣り+キャンプ」といった、秋~冬レジャーの中心として育てていきたいと想定されている。
岩倉ダムでは、同漁協により昨年春よりワカサギ受精卵約100万粒の試験放流が行われ 、今年春には約200万粒を同事業で支援したふ化器等を使い放流。
順調に生育しており、今年春には産卵の為、流入河川へと遡上するワカサギ親魚の姿が確認出来た。試し釣りも行われており、昨年の試験放流後は10月下旬頃から釣果が出ている。
釣り人に喜んでもらえる釣り場を目指して…
同事業に対し、売木村の清水村長からは「釣り界の皆様からの支援、大変感謝しています。新しいワカサギ釣り場が売木村の大きな魅力の1つになるよう願っています」。
漁協の後藤副組合長からは、「ご支援によって岩倉ダムのワカサギ増殖を支えていただき、大変感謝しています。下伊那漁協としてこれからも関係の皆様としっかり連携しながら、ご来場される釣り人の皆様に喜んでいただける釣り場作りに取り組んでいきます」といった喜びの声が寄せられている。
【提供:日本釣用品工業会・編集:釣具新聞】