日本の川魚の象徴でもあるアユ。ナワバリを持つ習性を利用した友釣りは内水面遊漁の大黒柱である。しかし、そのファンの高齢化は進むばかりだ。
長竿に極細の仕掛けで生きた囮アユを操作する友釣りは、「やってみたいけれど、敷居が高い」と思われがちな釣りの一つだろう。
わかやま友釣り塾は「やってみたいが…」と二の足を踏んでいた潜在的アユ釣りファンのサポート隊として平成28年からスタートした。
コロナ禍で活動を2年間休止したが、昨年から再開して今年は第6期生19名が一人前の友釣り師を目指している。
ヤル気に満ちた入門者を全国トップレベルの名手たちがしっかりサポートするのがこの友釣り塾の特徴で、5月に3週連続(1日8時間)の講習が行われ、夏季期間にみっちり自主練をして実力を付け、10月に卒業検定が行われる。
5月28日(日)には今期3回目の講習が日高川龍神地区で行われ、塾生トップは18尾、全員が野アユをキャッチすることができた。
まだ水温が低く、野アユの追いは本調子ではなかったが、今期も順調にカリキュラムが進んでいる。
卒業生のバックアップでさらに講習が充実!
友釣り塾の塾長を務めるのは、釣り界きっての友釣り通として知られるつり人社・鈴木康友会長だ。
塾長のあいさつの中で「この釣り教室はとても注目を集めているけれど、他では真似ができない企画」ということを強調。
釣り人、釣具業界、漁業関係者の垣根を越えた協力態勢で強力な運営が成り立ち、さらにもう1つ、卒業生の強力なバックアップがあるからだ。
すでに卒業生の中からメジャー大会の予選を通過した者も多く、卒業後もさらに上級者を目指している。
卒業生同士や同期メンバー連絡網も確立され、仲間との連携が友釣りに向き合うモチベーションを高めているといえるだろう。
その上達した卒業生が講師のサポート役となり、講習ではほぼマンツーマンで友釣りを指導できる態勢が整ってきた。
友釣り塾の門を叩いた女性3名の志望動機は?
・尾原由佳さん(和歌山県)
「地元の渓流、貴志川へアマゴ釣りに出かけたときに、木元さん(貴志川漁協副組合長)に『こんな釣り教室があるよ』と勧められました。父はアユ釣りをしていたのですが、この釣りは自分にはハードルが高いと思っていました。でも、一からしっかりと教えてもらえるということで参加してみようと思いました」。
・瀬口美樹さん(和歌山県)
「以前に1日だけアユ釣り体験教室へ参加したことがありました。この友釣り塾のことを知り、『真剣にやってみようかな』と思い、応募しました」。
・石井智子さん(大阪府)
「北海道でサクラマス釣りとワカサギ釣りを覚えました。今は冬の期間だけ北海道で飲食の仕事をしていて、こちら(関西)にいる5~10月の期間に楽しめる釣りを探していたところ、実家が貴志川ということでアユ釣りにチャレンジしてみました」。
わかやま友釣り塾の概要
〈主催〉
和歌山県内水面漁業協同組合連合会
〈講師〉
鈴木康友(塾長)/福田眞也/宮井孝和/盛岡達也/上西啓文/喜多幅武/他、各メーカーインストラクター、友釣り塾卒業生
〈協賛〉
オーナーばり/カツイチ/がまかつ/グローブライド/サンライン/シマノ/ヤマワ産業/プロショップかつき/フィッシングエイト/つり人社/日本釣振興会和歌山県支部/紀ノ川漁協/貴志川漁協/有田川漁協/日高川漁協/他、県内河川漁協
和歌山県内水面漁連の友釣り初心者サポートサービス
⑴アユ竿0円レンタルサービス
アユ竿、引き舟、玉網、ベルトの4点を道具が揃っていない初心者限定で無料貸し出しを行っている。
⑵ U30遊漁料無料キャンペーン
今シーズンも30歳以下、7~8月限定で、和歌山県下の各河川で遊漁料無料キャンペーンを実施。また、18歳以下は通年で友釣り遊漁料が無料になっている。
詳細は、和歌山県内水面漁業協同組合連合会ホームページで確認出来る。
【カモメ通信社・岸裕之】