神戸市須磨区にある「須磨海づり公園」が2024年11月1日、リニューアルオープンする。それに先立ち、マスメディア等向けの内覧会が行われた。その様子を紹介する。
須磨海づり公園は2018年8月の台風により、施設が激しく損壊したため、それ以降は休園となっていた。リニューアルオープンまで実に約6年3カ月が経過した。
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様々な経緯を経て神戸市は須磨海づり公園の復旧を決定した。2023年の秋に指定管理者の募集を開始し、12月には山陽電気鉄道株式会社と株式会社ハウスビルシステムの共同事業体が選定された。2023年には撤去工事等も開始され、海釣り施設の再整備や陸上施設の補修、回収等も行われ、予定通りに今年11月にリニューアルオープンとなった。
施設の雰囲気は以前と大きく変わった。以前は1976年に開園した施設だけあり、昭和の雰囲気が漂う事務所だったが、カラーも一新され、オシャレな雰囲気となった。
今回のリニューアルオープンについて、神戸市の担当者に話を伺った。
「今回の復旧にあたり、沖の釣台については撤去し、漁礁として活用しました。魚の住処としてや、将来は藻場になれば漁業の振興にも繋がると思います。第3、第4釣台はそこまで被害がありませんでしたから、使えるものは使い、一部は撤去して漁礁としました。
陸上施設について、今回は釣りに興味のない人も楽しめる施設としてリニューアルしました。
今後は釣りに興味のない方も利用して頂きたいです。神戸市民に限らず、市外の方もこれをキッカケに神戸にお越し頂きたいと思います。この施設の近くには神戸須磨シーワールドもありますので、釣りや観光等を楽しんで頂けたらと思います」。
海浜広場もリニューアル。地元食材にこだわった料理や土産物の販売も
陸上施設では釣り客に限らず、誰でも利用できる食堂や売店も設置されている。土産物の販売や食堂も地元の食材にこだわった料理が提供される。
以前は特別に何もなかった広場だが、今はキレイに整備されている。
飲食の売店もあり、軽食やドリンクが提供される。ここでも地元神戸が意識されたものが提供される。ロケーションも最高に良い。
海釣り施設はハウスビルシステムが運営し、この売店や海浜広場は、須磨海づり公園の近くを走る山陽電鉄が運営している。その担当者に話を聞いた。
「釣りをする方だけでなく、釣りをされない人にもこの場所の良さを多くの方に知って頂く施設として、食堂等を運営させて頂いております。以前、釣り人の方は管理塔で軽食を取られていた方が多かったと思うのですが、管理塔は撤去されました。陸上側のロケーションの良さを活かして、天気が良いと特に心地よいですし、地元の食材とともに楽しんで頂きたいと思います。
山陽電鉄でも毎年、50年以上前から釣り手帳を発行しています。引き続き発行していく予定ですし、須磨から姫路まで、釣りのスポットも掲載させて頂いています。その中でも須磨は大きな釣り施設です。
6年振りに海釣り公園が再開されますが、再び釣りを愛する方に来て頂きたいですし、一般の多くの方に須磨の海の魅力を知って頂きたいです。電車で手ぶらでやってきても楽しめる施設ですので、ぜひ多くの方に来て頂きたいと思います」。
新しくなった釣り場。誰でも安全に楽しめる。魚影も濃い!
須磨海づり公園は陸上施設だけでなく、釣り場も大きく変更された。以前あった第1釣台南側、第2釣台は撤去され、漁礁として利用された。また以前はシンボルだった白い管理塔も撤去された。
施設は台風で損壊し、手すりが崩落している箇所もあったが、全てキレイに直されている。
以前、第4釣台にあった売店は完全に撤去された。ベンチが置かれ、広いスペースとなった。また第4釣台の東側にあった船着場も撤去され、漁礁として使用された
沖側にある第3釣台。季節によるが、青物などの大物も狙えそうだ。手すりも絶妙な高さで釣りもしやすい。
内覧会での試し釣りでも良型連発!魚は昔と変わらず良く釣れる
当日はメディアや関係者が試し釣りを行っていたが、よく釣れていた。良型のサヨリやウマヅラハギの群れが回っていたほか、アオリイカ、チャリコ、アイゴなど様々な魚が釣れ、いずれも型も良かった。大きなチヌの姿も見えていた。
もともとよく釣れる須磨海づり公園。海の上に設置されている事から、施設自体が大きな漁礁となっている。潮通しも良い場所で、潮が大きく動いている時は川のように潮の流れも速い。オモリも多めに持って行った方が良い。
最後に、釣り施設を運営するハウスビルシステムの担当者に話を伺った。
「当社では兵庫県の尼崎、鳴尾、山口県の下関、そして今回の須磨と4つの海釣り公園を運営しています。須磨は今回の復旧でキレイになりましたし、いわば新築の海釣り公園です。復旧を待って頂いている方も多い釣り施設です。
ベテランの方はもちろんですが、ファミリー層や今まで釣りをした事がない人にも楽しんでもらえるよう、レンタルタックルも用意していますし、ファミリー層の方が多く来て頂ける施設を目指します。さらに食事も楽しんで頂ければと思います。
この施設は須磨浦公園の駐車場はあるのですが、海釣り公園の専用の駐車場ではありません。しかし、電車でも来れるのは大きな特長です。しかも手ぶらで来て楽しめる海釣り公園です。釣りの経験のない方にも、ぜひ気軽にお越し頂きたいと思います」。
須磨海づり公園では、年間の目標入場者数は5万人としている。これだけ大きな施設が復活した事は、釣り界としても非常に嬉しいニュースだ。近隣の釣り場でのトラブルが減る事も期待される。
釣具業界としても、安全で釣りが楽しめる施設が継続して人気となるよう、様々な支援をオープン後もしっかりと行っていく事が求められる。
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