企業経営に役立つ情報を紹介する「企業経営の名サポート」。今回は、従業員の健康管理を経営的視点から考え、「健康経営」を推進するために行われている取り組み事例を紹介します。
私の父は、自営業を営む75歳です。定期検診や通院をしていたにも関わらず、8月に膵臓がんが見つかり、「ステージⅣ・余命半年」と診断されました。抗がん剤治療では治る見込みがなく、今は先進医療や治験中・臨床実験中の方法を探しています。
「定期的に病院に通っていたのに、何故見つからなかったのか?」、「もっと早くわかる方法はなかったのか?」と、悔やむ気持ちは隠せません。当事者の父の「より早い段階で病気の兆候を知る大切さを伝えたい」という思いと、がん患者の家族の立場から何かできることはないかと思い、本コラムを作成しています。
労働者の健康だけじゃない!「健康経営」がもたらす効果とは?
事業者は、労働安全衛生法第66条に基づき、労働者に対して医師による健康診断を実施しなければなりません。また、労働者は、事業者が行う健康診断を受けなければなりません。
しかしながら、一般健康診断の項目では見つかりにくい、あるいは早期発見が難しい病気や異常も存在します。働きたい人が健康を維持し、働き続けることができる環境にすることが、これからの社会にとって重要です。
経済産業省は、健康への投資を促進し、就労世代の活力向上や健康寿命の延伸等を実現することが重要と位置づけています。
従業員等の健康保持・増進の取り組みが、将来的に収益性等を高める投資であるとの考えの下、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践する「健康経営」を推進し、「一人一人が心身の健康状態に応じて経済活動や社会活動に参画し、役割を持ち続けることのできる『生涯現役社会』の構築」に向けて取り組みを進めています。
その取り組みの1つとして、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する健康経営優良法人認定制度を設けています。
スマートワーク経営研究会の調査によると、健康経営を実施する企業において、「ROA(総資産経常利益率)と ROS(売上高営業利益率)のいずれでも、実施の少し後に利益率が上昇している状況が見られるため、健康経営を実施することでラグ(ずれ)を伴って利益率が上昇するプラスの効果が現れる可能性が示唆される」と報告しています。
結果的に業績向上や価値向上が期待されることもあり、健康経営優良法人(中小規模法人部門及び大規模法人部門)の申請・認定状況が年々増加しています。
健康経営の取り組み事例を紹介!
健康経営を進めていくにあたり、当社では以下の取り組みを実施してまいりました。
① がん予防メディカルクラブ「まも~る」
年1回の採尿によるがんのリスク検査を実施。判定結果によって最大100万円(会員期間中5年間、毎年20万円)までのがんドックを受診できます。「リスク検査で早めにわかって良かった」となった事例もあり、早期発見の機会になっています。
②産業医による健康サポート
年数回、希望者に産業医との個別面談を実施し、健康面でのサポートやアドバイス、健康診断結果に対する相談などの機会を用意しています。定期的に実施することで、タイミングを見逃さず、経過の相談も可能です。
③メンタルカウンセリング外部相談窓口の利用(健康保険組合と提携)
②以外に、第三者による社外メンタルカウンセリング窓口を増設しています。会社や人事担当者が間に入ることなく、社員がカウンセリング窓口と直接面談の調整をして、オンラインもしくは電話カウンセリングにつなげることが出来ます。
また、製造業や建築業などの現場仕事に従事している従業員が多い企業様から、次のようなお問い合わせが増えています。
・熱中症で倒れる従業員が増えているため、健康管理をしっかりしたい
・現場での転倒や転落などの異常へ迅速に対応したい
作業員個別の脈拍数とWBGT(温湿度)データの分析により、熱中症リスクが高い状態を検知してアラートを通知したり、作業員の転倒・転落を検知しアラートを通知したりするウェアラブルコネクトなどの製品があります。
経済産業省公式ホームページでは、健康経営優良法人の取り組み事例なども用意されています(画像クリックでPDFダウンロード)。
ご紹介した製品やサービス以外にも、ご状況に合わせた課題解決の方法をご用意しています。釣具新聞をご愛読いただいている皆様が元気に働いたり、健やかに過ごしたりするための一助となれば、父も喜びます。
健康経営に関するご相談・お問い合わせ先
(株)エイコー(☎0120・506・815)
E-mail eicoh-inside@eicoh.com
公式HP https://www.eicoh.com/