今回、注目の企業として紹介するのはボートメーカーの(株)バイソンウェーブ(大阪府枚方市本社:畑健二郎社長)だ。高品質な釣り人専用のインフレータブルボート(ゴムボート)やフローターを扱っている。
(株)バイソンウェーブは、2018 年12月に設立された新しいメーカーだ。同社が扱うインフレータブルボートやフローターの大きな特長は、「釣り人専用に作られている事」、もう1つはボディが劣化に強い「熱溶接で製造されている事」の2つだ。
まず、インフレータブルボートは様々な種類が発売されているが、釣り人目線で、釣り人専用に作られているのは、バイソンウェーブだけだそうだ。釣り人専用に作られているため、ボート自体も釣りがしやすく作られているのはもちろん、釣りに特化したオプションパーツも豊富に揃っている。
釣り用に開発されたロッドホルダーやテーブル、チェアーなど様々なパーツがあり、それらを組み合わせ、より快適な釣りが出来る。見た目もスマートだ。
また、通常インフレータブルボートやフローターは準備や片付けが大変だ。時間も体力も必要な場合が多く、特に釣りが終わった後の片付けは気の滅入る作業となる事が多い。
しかし、バイソンウェーブの場合は、パーツの取り付け取り外しも工具なしで出来、準備や片付けの負担も大幅に軽減されている。
熱溶接ボディで高い安全性を確保
2つ目の「熱溶接のボディ」については、これが購入の決め手となるお客さんも多いという。
ゴムボートやフローターにとって最も重要な部分は、空気を入れて浮力を生み出す本体(ボディ)だ。一般的なゴムボートのボディは、空気を逃さないよう生地を重ねてボンドで接着し、空気が漏れないようにしている。ただ、ボンド接着の場合、どうしても経年劣化で剥がれる箇所が出てくる。修理は簡単ではあるが、時間が経てば別の場所が剥がれてくる。もし洋上で使用中にボートの空気が抜ける事態になれば、危険な状況となる。
バイソンウェーブでは、ボディを製造する際に、最終工程のごく一部以外はボンドを使わず熱溶接で作る。基本的に生地と生地を熱で溶接するため、時間が経過しても劣化せず剥がれない。この事が釣り人に安心感を与え、釣りをする際も一層集中出来る。
この熱溶接は、非常に高度な技術が必要で、コストも掛かるそうだ。熱溶接の作業は、通常は小型ボートのボディのような複雑な形状の物に対して行う事は少ない。最終段階でミスをしてしまうと、ボディ全体が無駄になるという高い技術と集中力が必要な作業だからだ。それでも、ボートの最も重要な性能である安全性を高めるため、熱溶接ボディをバイソンウェーブでは採用している。
こういった高品質なインフレータブルボートやフローター、カスタムパーツを通じて、ボートフィッシングを楽しみ、釣りの世界を拡げて欲しいと畑社長は語る。
以下、畑社長にボート市場について、また今後の展開等を伺った。
「まずフローターの市場は20年以上前にピークを迎えており、その当時に比べると今は落ち着いた状態です。フローターはバスフィッシングに使われる方がほとんどです。今、フローターを利用して釣りをされている方は上級者の方が多く、買い換えられる際には、今使われている物よりクオリティの高い物を求められます。我々は、そういった方々のニーズにしっかりお応えできる商品を作っていきたいと思います。
インフレータブルボートは主に海での使用となります。日本では、昔からボートに乗って釣りをする文化があります。湾内の使用が中心になりますが、陸からほんの少し沖に出るだけで釣りの世界は大きく変わります。
例えば、エギング、ライトなジギング、キス釣り等、ポイントも楽しみ方も一気に拡がります。魚探を見ながら自分だけのポイントを開拓していくのも面白いです。ぜひ、ボートでの釣りを体験してほしいと思います。
こういったボートフィッシングを拡げるためには、地域の方々のご理解も頂いて、公(おおやけ)にボートを降ろせる場所を増やす事が出来れば、ボートフィッシングを楽しむ方の数も増えると思います。
我々は長年、インフレータブルボートやフローターを扱ってきた経験者ですから、基本的にこの分野で分からない事はありません。利用方法のご案内や修理に関しても何でも聞いて下さい。当社の商品を取り扱って頂ける販売店様にも、安心して扱って頂けると思っています。
今後については、まだ商品のラインナップが少ない状態ですから、徐々に増やして、お客様のニーズにお応えしていきたいと思います」
バイソンウェーブ公式ホームページ http://www.bisonwave.co.jp/