ルアーメーカーのジャクソンと、ライフジャケットの製造販売を手掛ける高階救命器具の共同プロジェクトとして、新ブランド「bifarr(バイファール)」が誕生した。ジャクソンの加藤慶太社長と高階救命器具の高階義尚社長に、ブランド設立の経緯や想い、今後の展開について話を伺った。
他の釣りにはない感動を届けたい。パドルフィッシングの普及目指す
bifarr(バイファール)は、ジャクソンと高階救命器具の共同プロジェクトとして誕生した「パドルフィッシング」のブランドだ。
「パドルフィッシング」とは、今回のプロジェクトに併せて造られた言葉で、カヤックやSUP(スタンドアップパドルボードの略称、以下SUP)を使って、人力で海や湖などに出て釣りを楽しむアクティビティのことを指す。
パドルフィッシングの最大の魅力は、「水面から近く、より大自然を身近に感じながら魚とファイト出来る」、「ただ漕いでいるだけでも楽しい」といった、他の釣りにはない体験が出来るところだ。
また、陸っぱりや釣り船では入れないようなポイントに、カヤックやSUPなら入れることもあり、冒険的な要素も味わえる。
こういった体験や感動を、1人でも多くの人に届けたいという想いでバイファールは誕生した。
バイファールの事業内容は、オリジナル商品の製造・販売、パドルフィッシング用品の販売、パドルフィッシングの体験ツアーなど多岐に渡る。
その第一歩として、7月1日に静岡市の三保に直営店「bifarr静岡三保店」をオープンした。
2社共同でブランドを立ち上げることになったキッカケは、加藤社長が「カヤックフィッシングのブランドがつくれないか」と思っている事を、高階社長に話をした事が始まりだ。
加藤社長「私は元々カヤックが好きで、カヤックの師匠に三保に連れて来てもらっていたのですが、海が近くてよく釣れて、本当に良い場所だと思いました。ですから、『ここで店を構えて、カヤックフィッシングの事業を始めたい』と思っていました。高階救命器具は元々カヤックの事業をされていましたし、高階社長とも交流がありましたので、声をかけさせて頂きました」。
高階社長「高階救命器具ではかつてカヤック事業を行っていたのですが、しばらくは他の事業に注力していました。ですが今回、加藤社長からお話を頂いて、もう1度カヤック事業を行いたいと思い、プロジェクトに参加することにしました。今はカヤックだけではなく、SUPで釣りを楽しむ人も増えていますので、カヤックフィッシングとSUPフィッシングの両方を含め、『パドルフィッシング』として事業を開始しました」。
このような経緯で始まった今回のプロジェクトだが、「2社の共同でパドルフィッシングブランドを立ち上げよう」という話を始めたのが昨年の6月頃で、11月には株式会社バイファールを設立。そして今年の7月には直営店のオープンに至っている。
ロケーション抜群の直営店。来年以降にはガイドツアーやレンタルサービスも
オープンした直営店は、海が目の前に広がっており、晴れた日には富士山が見える素晴らしいロケーションだ。
魚影の濃い清水港に面しており、波が穏やかでカヤック・SUPが漕ぎやすい内海にも、よりダイナミックな体験が出来る外海にもアクセスしやすく、パドルフィッシングを楽しむには最適な場所にある。
他にも拠点に出来る場所がないか探しはしたものの、国内には三保ほどの良いロケーションはなかったそうだ。
店内では、ロッドやライフジャケットなどのバイファールオリジナル商品や、海外から輸入したパドルフィッシング用品などが販売されている。
そのほかにも、海洋ゴミから作られたキーホルダーやコースター、土にかえりやすい天然ゴムで作られたビーチサンダルなど、環境に配慮したアイテムを中心に取り揃えている。
また、直営店では来年以降、ガイドツアーやレンタルサービスなども行う予定だ。店舗前のフィールドで、スタッフに付き添ってもらいながら実際にパドルフィッシングを楽しむことが出来る。
カヤックやSUP、釣り具もレンタル出来るため手ぶらで来られて、店舗横にはシャワー室も設置されているなど、快適に、そして気軽にパドルフィッシングを体験することが出来る。
さらに、店舗に隣接しているレストラン・宿泊施設と提携し、パドルフィッシングと宿泊や食事を一緒に体験してもらうサービスも行う予定だ。
そのほか、カヤックやSUPを所有している人には、保管艇庫を提供するサービスも行っていくとしている。