一般社団法人南紀串本観光協会の宇井晋介氏の連載「釣りで町おこし」。ここでは、釣りを通じた地域振興などについて話して頂きます。
ここ2年程は今回のコロナ禍で大幅に減ったとはいえ、釣り大国である日本においては全国で数多くの「釣り大会」が開催されている。
釣り大会は釣りというレジャー(スポーツとも言い換えられるが)を振興する、あるいは地方を振興するという目的以外にも、メーカーにとっては社名や自社の製品をアピールできる大切な場でもある。
ここ串本でも過去、観光協会が主催する300名を超えるような大きな磯釣り大会が大々的に行われていた。60~80年代の串本は釣り、それも磯釣りの聖地であり、多くの釣り人が押しかけていたため、参加者の数もすごかった。世の中は全てが上がり調子で、釣りの世界も景気が良かったのだろう。
港いっぱいのクルーザーは夏の風物詩。30年以上続く「ビルフィッシュ大会」
80年代の後半、南紀でビルフィッシュ大会を開催できないかという話が持ち込まれた。京阪神の有志による計画で、実行委員の方々も熱意満々、これに乗らない手はないと早速実行委員長と一緒に当時の町長室まで足を運んだ。
大きな大会なので役場の負担も相当なものだが、町長は町おこしの為ならと快く引き受けてくれた。それからすでに30年以上、ここ3年はコロナで流れてしまったが、大きなクルーザーが港一杯停泊する光景は、串本町の夏の風物詩となっている。
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