大好評「室蘭de手ぶらフィッシング」。釣りを観光資源に!手ぶらで楽しめる釣りツアーを提供

スペシャル ニュース

北海道中南部に位置する室蘭市では、釣りを観光資源として活用した「室蘭de手ぶらフィッシング」を、2021年7月より開始している。釣りを観光資源として捉える動きは全国各地で増えており、室蘭市の取り組みもその1つと言える。

この事業の経緯や現状、今後について室蘭市経済部観光課の青木保憲氏に話を伺った。

「室蘭de手ぶらフィッシング」の様子
手ぶらで初心者の人でも気軽に釣りが楽しめる「室蘭de手ぶらフィッシング」。釣った後は温泉に入り、魚も料理してもらえるなど至れり尽くせりのツアーだ

天然の良港・室蘭港で釣り体験「ロックフィッシュの聖地」としても有名

室蘭市は札幌市から車で南に約2時間、人口約8万人の市だ。大自然に恵まれている一方、重化学工業が盛んで「鉄のまち」としても知られている。夜にはSF映画のような独特な世界観を感じられる工場夜景も全国的に有名だ。

釣りはもともと盛んな地域で、札幌等からも連日釣り人が訪れている。特に室蘭港は水深もあり、風も防ぐ天然の良港であり、魚種も非常に豊富だ。

港内では良型のアブラコ(アイナメ)、クロソイ、マゾイ、シマゾイ等が釣れ、沖の砂地ではカレイ等が釣れる。港内は水温も高く、ブリやカンパチも回遊しており、岸から狙う人もいるなど、年間を通して様々な釣りが楽しめる。

近年では多くの釣り人から「ロックフィッシュの聖地」として憧れの場所になっている。

「室蘭de手ぶらフィッシング」の釣果
良型のアブラコ(アイナメ)が良く釣れる。ロックフィッシュの聖地だ

室蘭市が「室蘭de手ぶらフィッシング」を開始したのは、福岡県北九州市で行われている「釣りいこか倶楽部」がモデルになっている。この経緯について青木氏に伺った。

室蘭市経済部観光課観光係主任の青木保憲氏
室蘭市経済部観光課観光係主任の青木保憲氏。室蘭市生まれ。子供の頃から釣り好きだ

「北九州市と室蘭市は全国工場夜景都市協議会という会に所属しており、以前から工場夜景を観光資源とする町同士として、お付き合いがありました。当時の観光課長が、北九州市で『釣りいこか倶楽部』という取り組みが行われている事を知り、大変興味を持ちました。

室蘭市は、釣りは盛んですが、それが観光には活かせてはいませんでした。そこで私も含めて令和元年(2019年)に北九州市を訪れ、『釣りいこか倶楽部』を体験させてもらい、実際に釣りをしながら、北九州市や釣りいこか倶楽部のスタッフの方々に事業のスキーム等、様々な事を親切に教えて頂きました。

『釣りいこか倶楽部』は経済効果が1社だけではなく、地域の多くの人々に利益をもたらしている点でも素晴らしい取り組みだと感じました。

そして、室蘭市に持ち帰って、同じスキームで釣りを活用した観光プランが作れるのではないかと思い、準備を開始したというのが、この事業を始めた経緯です」。

「室蘭de手ぶらフィッシング」の告知ポスター
「室蘭de手ぶらフィッシング」の告知ポスター。釣りは体験型観光の主力の1つだ

釣りをアドベンチャーツーリズムのコンテンツに。「通過型観光」からの脱却目指す

室蘭市では以前から通過型観光が多く、観光消費が少ない事が観光の大きな課題となっていた。室蘭市は東に登別、西に洞爺湖と有名な温泉地に挟まれており、観光客の宿泊はどうしても少なくなる傾向がある。

工場夜景も有名で多くの人が訪れるが、観光客は夜景を見て、写真を撮るだけで、その後は宿泊先である温泉地に向かってしまうケースが多い。

そこで、観光庁も提唱しているアドベンチャーツーリズム(以下、AT。自然、アクティビティ、文化体験の3要素の内、2つ以上で構成される旅行)を推進し、室蘭市での滞在時間を増やしてもらう事を考えてきた。

「稼ぐ観光」をテーマに掲げ、体験型観光のトレンドに乗りつつ、通過型観光からの脱却が検討されていた。こういった背景もあり、室蘭市でもともと盛んだった「釣り」が、AT(アドベンチャーツーリズム)の重要なコンテンツとして見直される事となった。

「室蘭de手ぶらフィッシング」の釣果
元々釣りが盛んな室蘭。重要な観光資源として見直されることとなった

「北九州釣りいこか倶楽部」で事業のスキームを学んだ青木氏は室蘭市に帰り、さっそく室蘭市で協力する事業者探しを行った。令和2年(2020年)冬に予算要求し、令和3年(2021年)から準備を開始した。

予算を使い、レンタル用のタックル等を地元の釣具店で揃えた。もともと観光に協力的な業者もあり、事業者探しは比較的スムーズに出来たそうだ。

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